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どこで出産する?産院選びのポイントは?【専門家監修】

この記事では、産院選びのポイントを解説します。出産できる施設は個人病院・総合病院・大学病院・助産院などがあります。また、どの施設で出産するかによって、費用も大きく変わります。

この記事の監修者
監修者プロファイル

助産師松田玲子

医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
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エコー検査を受けている妊婦さんのイメージ

 

出産できる産院が多様化しているため、どこの施設で出産するか迷う妊婦さんも多いのではないでしょうか。ここでは、出産できる産院の種類や費用とそれぞれのメリット・デメリット、また産院選びのポイントをお伝えします。

 

出産できる産院の種類、費用とそれぞれのメリット・デメリット

出産できる施設は産婦人科だけではありません。また、どの施設で出産するかによって、費用も大きく変わります。ここでは出産できる主な施設とそれぞれのメリット・デメリット、また一般的な費用についてご紹介します。


※ここでいう「一般的な費用」とは、分娩・入院にかかる費用を指します。別途、帝王切開時の費用や通院費、マタニティアイテム購入費などがかかりますのでご注意ください。

 

産婦人科医院・クリニック

「〇〇産婦人科医院」や「〇〇レディースクリニック」などと名前のつくことの多い産婦人科です。豪華な食事を提供してくれたり、産後にエステを受けられたりなど、他の施設に比べてサービス内容が充実しているという特徴があります。

 

また、出産方法や育児内容(母乳育児など)に院長の方針が強く現れることも特徴のひとつ。出産方法や育児内容にこだわりがある場合は、各医院やクリニックの方針と合っているかを確認しておいたほうがいいでしょう。

 

【一般的な費用は?】
産婦人科医院・クリニックの費用はそれぞれが提供しているサービス内容によって大きなばらつきが、平均額は501,408円となっています。
(※)食事や入院する部屋が豪華だったり、エステなどを受けられたりする場合、場所によっては100万円ほどかかるところもあります。とくに都心では高い傾向にあるようです。退院の際に驚かないよう、産婦人科選びの際には前もって見積を出してもらっておくと安心でしょう。

 

総合病院・大学病院

産婦人科以外に複数の診療科目を有する病院です。総合病院は100以上の許可病床があり、産婦人科以外に内科や外科などの主要な診療科を持つことが定義となっています。一方大学病院は、診療以外に研究や教育といった役割も担っているため、比較的新しい機器を多く導入している傾向があります。

 

病院によっては、NICU(新生児集中治療室)という、出産後特別な治療が必要な赤ちゃんに対応するための設備を設けているところや、総合周産期母子医療センターというMFICU(母体・胎児集中治療管理室)とNICUを備え、母体の救命救急への対応やハイリスク妊娠に対する医療、高度な新生児医療をおこなうための設備を設けているところもあります。


母体や胎児、生まれた赤ちゃんに大きな問題があった場合でも迅速に処置ができるため、出産リスクに不安を感じている場合は、総合母子周産期センターやNICUのある総合病院を選ぶのがいいでしょう。

 

また総合病院・大学病院は、4Dエコーなど医療機器が充実しているところが多いのも特徴のひとつとなっています。

 

その一方、受診者が多く、診察の待ち時間が長くなる場合があるというデメリットも。また時期によっては研修生の立ち会いがある場合もあるため、他の人に見られたくないという場合は一度医師や助産師に確認したほうがいいかもしれません。

 

【一般的な費用は?】
総合病院・大学病院の出産費用の平均額は511,652円となっています。
(※)病院によっても異なりますが、公立病院の場合は産婦人科医院・クリニックよりも安いところが多いようです。一方、私立の場合は高い場合もあるため、一度病院に問い合わせてみるといいでしょう。

 

助産院

助産師が開院している分娩機関で、少人数制であることや、ほかの機関に比べて家庭的でリラックスしやすい雰囲気のところが多いことなどが主なメリットとなっています。また、妊婦さんの理想の出産の形に合わせてくれることもあり、出産方法にこだわりのある人などの利用も多くみられます。

 

一方、助産院では医療行為ができないため、助産院は母子ともに正常経過である場合しか利用できません。そのため帝王切開など手術が必要な場合や、逆子などリスクが伴うことがあらかじめ分かっている場合、助産院での分娩はできません。また、血液検査などは総合病院などで受けなければならないため、予約が面倒というデメリットがあります。

 

ほかにも、分娩中に母子が危険な状態になった場合、もしくは妊娠中に何か問題があった場合は別の産院へ搬送しなければならないため、その点も了承したうえで助産院を利用するのがいいでしょう。

 

【一般的な費用は?】
助産所での出産費用の平均額は464,943円となっています。
(※)産婦人科医院やクリニック同様、助産院によってばらつきがあるため、事前に確認しておくのがおすすめです。

 


※参考:統計情報 出産費用 平成28年度|国民健康保険中央会 出産費用の全国平均値、中央値

 

産院を選ぶポイントは?

産婦人科の医師と妊婦さんのイメージ

 

産婦人科を選ぶポイントは人によって異なりますが、ここではぜひチェックしておいてほしいポイントを8つご紹介します。

 

1.分娩費用

前述したとおり、どの施設で出産するかによって、費用は大きく変わります。出産の際には加入している健康保険組合から「出産育児一時金」という形で42万円の助成金が支払われるため、すべてを自己負担する必要はありませんが、どれだけ支払えるかを事前に計算しておくのは大切なこと。分娩予約する前には、事前にどれくらい費用がかかるのかを相談しておくといいでしょう。(※出産育児一時金の金額は2017年7月19日時点の情報です)

 

2.家からの距離

サービスが充実しているからといって、家から遠い産婦人科を選んでしまうと、交通費がかさんでしまうという心配がでてきます。また産気づいたときに、産院に着くまでに時間がかかるというのもつらいですよね。夜中に産気づいた場合、なかなかタクシーが捕まらないという可能性もあるので、交通費だけでなく、いざというときの交通手段を検討したうえで適度な距離にある産婦人科を選ぶのがおすすめです。

 

3.出産方法

一般的に総合病院や大学病院は、分娩台の上で出産するスタイルを取っているところが主流ですが、助産院や産婦人科医院、クリニックの場合はそれぞれの考えに合わせた出産方法を取り入れていることが多いようです。また、妊婦さんの要望に合わせた方法を取り入れてくれるところもあるため、こだわりがある場合は、対応してくれる産婦人科を選ぶのがいいでしょう。

 

4.立ち会い出産できるか

夫や両親に立ち会ってほしい場合、出産の際に立ち会いが可能かどうかをチェックしておいたほうがいいでしょう。産婦人科によっては「立ち会いは一人だけ」「立ち会い自体がNG」など、制限がある場合もあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

 

5.入院部屋の様式

出産後しばらく過ごすことになる入院部屋には、個室と相部屋の2タイプがあります。個室はゆっくり過ごせる反面、料金が高めというデメリットがあります。

 

一方、相部屋は料金を抑えられる反面、他の人と一緒に過ごさなくてはいけないため、人によってはストレスを感じる場合もあります。予約状況や出産当日の部屋の状況によっては希望の部屋に入れないこともあるため、その点も合わせて確認しておくのがおすすめです。

 

6.赤ちゃんと過ごせるかどうか

出産後、赤ちゃんと同じ部屋で過ごす産院もあれば、赤ちゃんだけの別室が用意されていて、授乳のときだけ会えるというところもあります。赤ちゃんと離れるのは寂しいですが、出産後はお母さんも疲労困憊の状態のため、なかなかかまう余裕がない場合も。別々の部屋を選んだからといって、母親失格などということはもちろんありませんので、ご自身の体力なども考慮したうえで検討するのがいいでしょう。

 

7.ごはんがおいしいか

とくに産婦人科医院やクリニックの場合、入院中のごはんがとても豪華なところがあります。出産後は体力を消耗しているだけでなく、母乳も与える必要があるため、ごはんを食べてしっかり体力をつけたいところ。頑張ったお母さんのご褒美という意味でも、ごはんのおいしさを選定基準にするのは悪いことではありません。

 

8.先生との相性

出産を任せる先生との相性も、産婦人科選びにおいては大事なポイントです。「先生」と呼ばれていても、相手は人間。性格や考えが合わないこともあるでしょう。先生との相性が合わずにストレスを抱えてしまうと、心身ともに悪い影響が出ることもあり得ます。安心して出産できる環境を見つけるという意味でも、産院選びの際には先生と一度話をしたり、実際に産院を訪れて助産師などから話を聞いたりして、任せられるかどうかを確認しておくほうがいいでしょう。

 

※参考:ベビーカレンダー「産院・産婦人科の選び方-費用、距離、出産方法、食事など8つのポイント

 

産院選びにまつわるママたちの体験談

  • 総合病院のほうが何かあったときに安心ですが、個人医院のほうが一人の患者さんとの距離が近い気がして、個人医院を選びました。今はネットがあるので、口コミをみると選びやすいかと。個人医院は、こだわりの強い売りがあることが多いので、自分に合った病院をしっかり探されると、気持ちいい出産ができると思います!(ぽぽさん)
  • 総合病院での出産をしました。お料理などは少し味が落ちるかもしれませんが、お金がとても安かったのでまた総合病院で産みたいです。あと、母子同室でした。母親学級などもあり、分娩のお部屋を見せてもらいました。安心してお産に臨めました。(そばかすさん)

  • まず、「診察が予約制」という点をメインに自分の希望を洗い出すことから始めました。加えて、私の希望は病室が個室、助産師の数、母乳推進、食事がおいしいなどで、最終的には経験者からの口コミでこじんまりした産婦人科に決めました。これは実際に入院してわかったことですが、自分の希望を満たしていて、なおかつ自宅近くの産院を選んだほうがいいと思いました。初めは月1回の健診ですが、妊娠週数が進むと2週間に1回、臨月で週1回のペースで通うことになるので、遠方だと大変です。産後エステや妊娠中のさまざまな講習会を売りにしている産院もありますが、それにプラスして通いやすいという点も重要視したほうがいいと思いました。(小林まなみさん

  • 近所の人や体験談などの口コミで選びました。個人医院のほうが、入院部屋がかわいかったり、診察でエコーの録画サービスや対応がよさそうで迷いましたが、初めての出産で体の不安もあり、いざってときに頼りになるだろうと総合病院にしました。たくさんの先生が24時間いつでも対応してくださり、安心して出産できました。(こみえママさん)

 

このように産院の種類はさまざまです。出産にあたりご自身が安心できる条件、産院に求めることを考えておくと選びやすくなると思います。それぞれの施設のメリット・デメリットなどをよく理解したうえで、ご自身が安心して出産に臨める産院選びができるといいですね。

 

 

◆関連動画 出産ドキュメンタリー

 

 

 

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