無事に赤ちゃんが生まれてくることを願う戌の日。なんとなく耳にしたことはあるけれど、何をするのかあまり知らないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、戌の日の伝統について、また戌の日におこなわれる安産祈願についてを分かりやすくお伝えします。
戌の日とは?
●妊娠5カ月目の安産祈願をする日
安産祈願は、プレママの不安な気持ちを和らげてくれる大切なイベント。日本では古くから、妊娠5カ月目に入った始めの戌の日に、腹帯を用意して、安産祈願のために寺社を参拝をする、という伝統があります。
●戌の日とはいつのこと?
そもそも戌の日とはいつのことなのでしょうか。戌は、十二支の中でも安産や多産を象徴する動物。旧暦では、十二支の順序で11番目に該当する日を、戌の日と呼びます。現在の暦では、月に2~3回のペースで戌の日があります。
●戌の日以外の参拝もOK
参拝は、妊娠5カ月目に入った最初の戌の日でないとNG、といういうことではありません。戌の日以外にも、安産祈願をおこなっている寺社は、数多くあります。逆に、休日や大安と重なった戌の日は、混み合うことが予想されますので、妊婦さんの体調を見て、無理のない日程を組んでみてください。
戌の日に何をするの?
●初穂料や祈祷料を用意して参拝に出かけましょう
戌の日の安産祈願では、寺社でお祓いや祈祷をしてもらい、お札やお守りをいただくことになります。その際に必要となる料金の相場としては、5,000円~10,000円くらいが目安です。事前に確認の上、準備をして参拝当日を迎えましょう。
●「帯祝い」もおこなわれる戌の日
戌の日には参拝のほかに、「帯祝い」と呼ばれる行事が催されることもあります。帯祝いには、妊婦さんと胎児の健康を願って、岩田帯と呼ばれるさらしのような腹帯が贈られます。寺社によっては岩田帯とは異なる、ガードルや腹巻タイプなどのカジュアルな腹帯が贈られることもあります。初めて腹帯を巻き、参拝を終えた妊婦さんが、家族と一緒に膳を囲む風習もあります。来るべき新しい命の誕生を、家族みんなで祝ってみてはいかがでしょうか。
●腹帯の選び方にもこだわってみて
日頃あまりなじみのない腹帯。安産祈願以外にも、果たす役割があると言われています。ひとつは、妊婦さんのおなかをあたためて、冷えを予防するということです。そのほか、帯で固定することにより、腰への負担が軽減するだけでなく、 衝撃から保護しやすいということも挙げられます。市販されている商品にも腹帯のタイプやデザイン、柄など、種類が豊富にそろっています。ぜひお好みやニーズに合ったものを探してみてください。
安産祈願にいくときは?(場所、服装、持ち物について)
●どこにお参りに行くの?
安産祈願をしている寺社であれば、どこでも参拝できます。水天宮や子安神社などの、安産祈願で有名な寺社のほか、日頃からご縁のある氏神様で参拝するというのも、ひとつの方法です。
●戌の日にはどんな服装をすればよい?
厳密な決まりごとは特にありません。スーツやワンピースなど、フォーマルな装いで臨むのがベターですが、妊婦さんにとって負担にならない服装にすることが大切です。
●当日必要となる持ち物は
当日必須の持ち物としては、初穂料や祈祷料が挙げられます。腹帯は身に着けていくこともできますが、持参する場合には忘れないように心がけましょう。寺社によって、腹帯を販売しているところもあれば、ガードルや腹巻タイプの腹帯を受け付けないというところもあります。事前に問い合わせのうえ、腹帯を持参するか、購入するかを検討するとよいでしょう。
医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
※参考:ベビーカレンダー「戌の日とはいつ?腹帯は必要?安産祈願の場所、服装、持ち物について」〈 https://baby-calendar.jp/knowledge/pregnancy/938 〉
体験談
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仕事の都合もあって、戌の日にはお参りできませんでしたが、ちょっとずらして平日に主人と2人でお参りしました。夏の暑い時期だったので、空いている平日でかえって良かったなと思いました。5千円くらいかかりましたが、戌の絵のさらしと安産のお守り、お札を頂き、拝んで頂きました。さらしはあまり使いませんでしたが、無事、安産でした。(こみえママさん)
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地元で安産の神様として有名な神社で安産祈願をしてもらいました。腹帯にハンコを押してもらいました。私は仕事で行けなかったので母が代理で行ってくれたのですが、それでもちゃんとお祈りしてくれました。腹帯は、さらしタイプは使わないと思ったので、ガードルタイプのものを2つ買って神社に持ち込みましたが、履き心地で好き嫌いがあったので同じ方ばかり使いました。もし可能であれば試着とかした方が安全かも?( mamatanさん)
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戌の日の準備はお姑さんがしてくれました。腹帯やお守りなど、大事に使いました。安産祈願をしたものの、出産はなかなか難産で大変でしたが、今では良い思い出となっています。腹帯をして、みんなで赤ちゃんの命を守っているんだなと思いました。(そばかすさん)
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地元で有名な神社は、祈祷してもらうのに外で長時間待たされると聞き、別の神社に行きました。自分達をいれて5組しかおらず、暖房のきいた待合所でゆったりできました。祈祷料が1万円からだったのは想定外でしたが、2月の寒さで体調を崩すことなく、しっかりとお参りできてよかったと思います。(もなおさん)
「戌の日」は古くから伝わる日本の習慣ですが、安産を願う気持ちは今も昔も変わらないものですよね。生まれてくる赤ちゃんとママの健康を願って、ぜひ神社やお寺に足を運んでみてはいかがでしょうか。