義母から渡された意味深な桐箱
出産後も「すぐに孫に会いたい!」と張り切って、翌日にお見舞いに来てくれました。赤ちゃんに会ってもらったその帰り際、義母が小さな声で話しかけてきたのです。
そして、義母は夫や義父から隠れるように私の耳元で「後でひとりで見て。毎日撫でると段々彫りが深くなって守ってもらえるからね。人に言ったらダメよ?」と言い、こっそり小さい桐箱を渡されました。なにやら意味深な桐箱の蓋を恐る恐る開けてみると、翡翠の大仏のような彫刻……。
その当時は、子どもも生まれたばかりで、もしもバチが当たってしまったらと、なんとなく怖かったので、私は義母に言われた通り、夫にも話しませんでした。
それから数年が経ち、引っ越しの際にクローゼットの奥から、義母に渡された桐箱が出てきて、当時のことを夫に話しました。すると夫は「うちの親、そういうの好きなんだよ。ちゃんと今まで黙ってたんだ」と笑っていました。今では、あのころの私は純粋だったと笑い話ですが、未だに謎の桐箱はクローゼットの奥にしまってあります。
著者:小野 綾/30代・女性・自営業。下の子は双子。4児を育てるママ。飲食店を経営中。
イラスト:大福
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年10月)