子どもの嫌いな食べ物を勝手に食べる夫
息子が3歳だったころの話です。当時の息子はイヤイヤ期真っただ中。ごはんもお風呂も拒否、スーパーでは寝転がってだだをこねるなど、毎日大変な時期でした。
ある朝、嫌がる息子に何とか野菜を食べさせようと型抜きをし、息子の好きなキャラクターの顔のパーツを海苔で作って朝食を準備。しかし、不機嫌スイッチが入り意地でも食べてくれません。すると、そのタイミングで起きてきた夫が「食べたくないときは無理に食べなくていいんだよ。パパが食べてあげる」と言い、息子のごはんをすべて平らげてしまいました。息子は「パパありがとう!」とうれしそう。さらに夫は「ママはもっと要領よく料理しなきゃ。時間かけて作った料理を子どもに無理強いするんじゃなくて、好きなものを食べさせてあげなよ」と言ってくる始末。私はたまらず、「普段から子どもの栄養バランスや体調管理に気をつけてごはんを作っているの! 勝手に食べないでよ」と言い返します。
しかしそんな言葉は夫に届かず、6歳の娘の皿に乗っていたハート型のにんじんまで勝手にパクリ。「娘ちゃんは小さいときからにんじんが嫌いだなぁ。ちゃんと食べないとパパくらい大きくなれないぞー!」と言うと、娘はとたんに大号泣。「パパひどい! にんじんは最後に食べようとしていたのに、邪魔しないで! ママがせっかくハートにしてくれたのに!」と言うと、娘は私に近づいてきて「ママごめんなさい。私、本当は食べられるのに。ママがかわいくしてくれたにんじんが食べたかったのに。すぐ食べてたらパパに食べられなかったのに……」と謝ってきました。娘の泣き声はだんだん大きくなり、それを見ていた息子も近づいてきて「ママ、ぼくも食べなくてごめんなさい」と、2人揃って大号泣。
その様子を見ていた夫は慌てて2人を撫でながら「パパこそごめんね。娘ちゃんがにんじん食べられるようになったの知らなかったよ。パパは子どものとき野菜が嫌いで残してたから、2人も野菜を食べたくないんだと思っていたよ。2人とも頑張ってえらいね。ママにも、他人事みたいなこと言ってごめんね」と言ってくれました。私は大変さが伝わったかな? と少しうれしい気持ちに。
今回の件をきっかけに、夫は子どもたちのごはんを勝手に食べることはしなくなり、頑張れと応援したり、「この調味料をつけて食べたらおいしいぞ!」と手助けをしたりと、子どもたちの食事に協力的になってくれました。現在、5歳に成長した息子は好き嫌いなくパクパク食べるようになっています。夫が協力してくれるおかげで、私も気持ちに余裕を持てるようになり、子どもたちの成長を楽しもうと思うことができた出来事です。
著者:宮本真由美/30代・主婦。8歳の娘と5歳の息子の子育てに翻弄されるパートママ。年1回の大好きなディズニー旅行のために日々奮闘している。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年8月)