9月7日、厚生労働省が平成 29 年人口動態統計(確定数)の概況を取りまとめ、公表しました。
出生数は調査開始以来最少
昨年発表された2016年の人口動態統計では、出生数が100万人を割り、話題となりました。2017年はさらに30,913 人(前年より3.2%)減少し、946,065 人となり、調査開始以来最少いう結果となっています。また、合計特殊出生率(15 歳から 49 歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの)は 1.43 で前年の 1.44 より低下しました。
母親の年齢(5歳階級)別でみてみると、2016年の出生数に比べて45~49 歳及び 50 歳以上で出生数が増加したものの、44歳以下の各階級で減少しているということでした。また、合計特殊出生率においても、35 歳以上の各階級で上昇し、34 歳以下の各階級で2016年より低下していました。
出生数の減少は、「女性人口」の減少と「年齢構成の違い」の低下の影響によるもので、厚生労働省は今後も「女性人口」の減少と「年齢構成の違い」の低下は続くとみています。ですので、合計特殊出生率が変わらなければ、出生数が減少していくことになるため、晩婚化や晩産化の動向も踏まえ、今後の「合計特殊出生率」の動向を注視していく必要があるとしています。
死産数は減少
死産数は20,358胎で、前年より576胎減少し、死産率(死産を含めた出産1000に対する妊娠12週以降の死産の数)は 21.1 で、前年の 21.0 より上昇しました。そのうち、自然死産数は9,738胎、人工死産数は10,620胎と人工死産数の方が若干上回っていました。
また、周産期死亡(妊娠22週以後の死産と生後 1週未満の早期新生児死亡を合わせたもの)は前年より208人減少し3,308人で、周産期死亡率(妊娠満 22週以後の死産数+早期新生児死亡数を出生数と妊娠満 22週以後の死産数で割り、1000を掛けたもの) も前年の3.6から減少し、3.5になりました。
乳児死亡(生後1年未満の死亡)は、1,761人で前年より167人減少しました。そのうち新生児死亡(生後28日以内の死亡)は、前年より42人減少し832人、さらに早期新生児死亡(生後1週間未満の死亡)は、51人減少し625人でした。
2017年は、33秒に1人の割合で赤ちゃんが生まれ、その一方で24秒に1人の方が亡くなられたという計算だそうです。年々自然人口増加数も減少してきていますが、平成最後の2018年はどのような結果になるのでしょうか? 来年の結果公表も気になるところです。
※参考:厚生労働省「平成29年(2017)人口動態統計(確定数)の概況」「報道発表資料」〈 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei17/dl/14_hou.pdf 〉「結果の概要」〈 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei17/dl/02_kek.pdf 〉「合計特殊出生率について」〈 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei17/dl/tfr.pdf 〉「第1表 人口動態総覧」〈 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei17/dl/03_h1.pdf 〉