「産後うつ」かも...!?「産後うつ」の症状や原因と治療方法を解説!

2018/10/15 18:00
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この記事では産後のうつ病について、医師監修のもと、解説します。産後ママの5~10%が産後うつ病になるとされています。(※日本産科婦人科学会より)一方、米疾病予防管理センターによると、9人に1人のママが産後うつ病に陥ると報告されています。いずれにしても、産後うつ病は決して珍しい病気ではないことが分かります。
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マタニティブルーズ

産後うつに悩むママのイメージ

 

「産後うつ病」は出産を終えたママが発症する精神障害の一種です。パパが発症するケースもあります。産褥(さんじょく)期は赤ちゃんのお世話で忙しく、自分の体と心をケアは疎かになりがちです。しかし、無理をすると産後うつ病に陥ってしまうかもしれません。産後うつ病の知識を持ち、予防対策に取り組みましょう。

 

産後うつ病とは?原因は?

産褥期に発症する精神障害を「産褥精神障害」あるいは「産褥精神病」と呼びます。産後うつ病は、産褥精神障害の大半を占める病気です。産褥精神障害の一種で、早ければ産後2週~4週間ごろに発症するといわれています。育児への不安や、焦燥感など、さまざまな抑うつ感情が現れる病気です。

 

マタニティ・ブルーズとの違い

「マタニティ・ブルーズ」とは、産後3~10日のママが発症する、軽度の抑うつ状態です。産褥期の生理的な現象とされており、集中力の低下や、涙もろくなるなどの症状が特徴です。症状は産後2週間ほどで自然に治まるといわれています。


日本産科婦人科学会によると、マタニティ・ブルーズと産後うつ病との違いは次の通りです。「マタニティー・ブルーズは産褥初期に一過性にみられる生理的なもので、一方産褥精神病は、多くは産後 1 カ月以内に発症する病的なもの」

 

このように、異なる疾患として区別されていますが、マタニティ・ブルーズが悪化し、産後うつ病に移行するケースも少なくありません。

 

産後うつ病を発症する確率

産後ママの5~10%が産後うつ病になるとされています。(※日本産科婦人科学会より)一方、米疾病予防管理センターによると、9人に1人のママが産後うつ病に陥ると報告されています。いずれにしても、産後うつ病は決して珍しい病気ではないことが分かります。

 

産後うつ病の原因

産後うつ病になるリスク要因として、次のようなことが挙げられます。


・過去にうつ病を含む精神障害の病歴がある(非妊娠中・妊娠中)
・妊娠や出産、育児に関する不安、ストレス、肉体的疲労
・シングルマザー、10代のママ
・37週未満の早産
・双子、三つ子
・赤ちゃんに深刻な疾患などがある場合

・夫や周囲の協力が少ない
・家族の病気や死別、お金の問題など
・社会的サポートが乏しい

 

パパにも産後うつ病の発症リスクがある

産後うつ病は、ママだけでなく、パパも発症するリスクがあります。米疾病予防管理センターの1993年~2007年に実施された調査(※米疾病予防管理センターより)によると、およそ4%のパパが産後1年以内に抑うつ状態を経験するとのことです。また、子どもが12歳になるまでの期間では、5人に1人の割合で抑うつ状態に陥るとされています。


リスク要因はママと同様に、過去の病歴や若年層であることなど、さまざまです。マイホームや車の購入資金、教育費など、経済的なプレッシャーから産後うつ病に陥るパパもいます。

 

産後うつ病の症状

産後うつ病の代表的な症状は下記になります。産褥期のママとパパは、自分に当てはまる点がないかチェックしてみましょう。


・いつもより涙もろくなった。少しのことで涙が出る
・パパ(ママ)や周囲の人に対して、腹が立つことが多い
・孤独な気持ちになることが多い
・赤ちゃんを傷つけないか不安に思う
・自分は“良い母親または父親ではない”と感じてしまう


これらの点は、ほとんどのママとパパが多かれ少なかれ経験することかもしれません。とはいえ、当てはまる点がある場合は軽く考えず、専門家や周囲のサポートを得る必要があります。

 


産後うつ病の治療方法・予防方法

産後うつ病になったら、どのような治療を受けられるのでしょうか。また、産後うつ病を予防する方法はあるのでしょうか。産後うつ病の治療と予防についてご説明します。

 

産後うつ病への対処と治療

産後うつ病が疑われる場合、速やかな対処が必要です。対処法と治療法は次の通りです。


・まずは最寄りの医療機関に相談
出産した産婦人科や、出産前に通院していた精神科など、病院を受診しましょう。必要と判断された場合は質問票を用いた検査が行われます。産婦人科での診断が難しい場合は、精神科医を紹介されることもあります。


・周囲のサポートが重要
抑うつ状態の解消には、家族の助けが不可欠です。また、最寄りの自治体の相談窓口に問い合わせ、公的サービスを活用するのもよいでしょう。


・投薬や入院による治療
症状が深刻な場合は、抗うつ薬を用いた薬物療法や、入院治療が施される場合もあります。特に入院治療は、育児のストレスから切り離され、緊張を和らげるきっかけとして、有効とされています。

 

産後うつ病の予防

深刻な抑うつ状態に陥らないために、次のような予防対策が重要だといわれています。
 

・早期の段階で対策に取り組む
うつ病の予防には早期対策が重要だといわれています。妊娠中に気になる症状や、育児に関する不安があるママは、早めに医師に相談しましょう。また、家族や近隣の人、専門家など、育児をサポートしてくれる人を見つけておきましょう。


・産後ママは睡眠確保と休息を最優先に
お産による体力の消耗や育児疲れなど、ママの肉体的疲労が産後うつ病につながるケースもあります。家事育児を頑張りすぎず、体と心を休めることを最優先にしましょう。


・夫婦でよく話し合いを
育児はママとパパ、両方にとって大きな仕事です。日頃から育児の不安など、自分の考えを相手に伝えることが大切です。育児中はパートナーへの不満がつきものですが、日頃から小出しで伝え合い、不満を溜め込まないようにしましょう。

 

まとめ

産後うつ病は多くのママが経験する病気です。パパが発症するケースもあります。「自分たちには関係ない」と決めつけず、予防対策に取り組みましょう。産褥期は忙しく、大変な時期ですが、夫婦で協力し合って乗り切りましょう。ぜひ、周囲にも相談し、助けてもらってくださいね。

 


日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。

 

※参考:日本産婦人科学会「日産婦誌54巻7号」(産褥異常の管理と治療,N―207,2002-7,閲覧2017-11-6)〈 http://www.jsog.or.jp/PDF/54/5407-202.pdf 〉、日本産科婦人科学会「第一回『診療ガイドライン-産科編 2017』」(コンセンサスミーティング用資料,p.28,2016,閲覧2017-11-6)〈 http://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/01/img-408102737.pdf 〉、米疾病予防管理センター「Depression Among Women」(2017-2-15,閲覧2017-11-6)〈 https://www.cdc.gov/reproductivehealth/depression/index.htm 〉


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