暑い時期を過ぎ、ハロウィンやクリスマスと秋冬のイベントが始まる時期ですが、年内に済ませておきたい・考えておきたい手続きや制度があります。年末ぎりぎりで間に合わないといったことがないようにしたい4点をお伝えしてまいります。
なお、2018年(平成30年)は12月29日が土曜日になるため、行政機関でなくても12月28日が最終営業日になる企業等も多いと思われますので、間に合うようにお手続きを済ませましょう。
1.扶養について
所得税・住民税の配偶者控除(配偶者特別控除)や健康保険の被扶養者、国民年金の第3号被保険者は、毎年1月1日~12月31日の年収で判断されますが、10月・11月から調整しないと基準額を上回ってしまう可能性があります。
配偶者控除は年間給与収入103万円以内、配偶者特別控除であれば年間給与収入103万~201.6万円以内、 健康保険の被扶養者、国民年金の第3号被保険者であれば年間給与収入130万円未満(パートの勤務先によっては106万円未満)と基準が異なりますので、必要な人はどこまでを扶養とするか考えたうえで年収を調整しましょう。生計の中心者の勤務先で扶養手当・家族手当等がある場合は、この基準も合わせて考慮する必要があります。
2.贈与や保険の加入・ふるさと納税等
所得税や贈与税の確定申告は、翌年の2月16日から開始ですので、手続きはまだ必要ないのですが、両親や祖父母などからの贈与がある場合や生命保険・地震保険の保険料控除、ふるさと納税を年内の所得税・住民税に適用させたい場合は年内のお手続きが必要です。贈与税についても、所得税の控除についても1月1日から~12月31日の期間が対象となります。
贈与税は1年あたり110万円まで(住宅購入資金や教育資金等は特例あり)が非課税の対象となりますので、贈与される金額が110万円を超える可能性がある場合は、1年ごとの非課税上限を利用することも検討しましょう。
生命保険・地震保険の新規加入やふるさと納税を年内の適用にする場合は、年内に支払いが必要となります。領収証の日付が年内であれば適用になると考えられますが、12月29日以降の振込の場合は、年明けの領収日となる可能性もあります。手続きがぎりぎりなる場合は、28日までに相手方が受け取れるように手続きをするようにしましょう。
3.NISAやマイナンバー等の証券口座
2014年(平成26年)から始まったNISA(非課税運用)口座ですが、5年を経過すると特定(課税)口座に移管するか、非課税期間を5年延長するかの選択・手続きが必要となります。
2015年以降にNISA口座で運用している部分は来年以降の確認となりますが、2014年にNISA口座で運用しているものがある人は、銀行や証券会社等の金融機関から案内がありますので、どうするかの検討と手続きを忘れないようにしましょう。
また、3年前の2015年(平成27年)から始まったマイナンバーですが、お手持ちの金融商品によっては、銀行や証券会社等の金融機関からマイナンバーカード(通知カード)のコピーなどの提出が求められていますが、提出猶予期間が2018年(平成30年)末で終了しますので、未提出の人は忘れずに提出しましょう。期限内に提出のない場合は、取引に制限がかかったり、手続きが煩雑になったりする可能性があります。なお、預貯金だけの人は2018年10月時点では、マイナンバーの提出義務はまだありません。
4.ポイントやサービスの終了、市区町村独自の施策など
ポイントカードやクレジットカード、通信会社等のポイントすべてではないのですが、年末を有効期限としているものや市区町村独自の行政サービス等の締め切りが年内のものである可能性がありますので、案内メールやホームページ、広報誌等を確認するようにしましょう。年度末(3月末)であることも多いので、定期的に確認する習慣を身につけるとよいでしょう。
上記の4点が必ずしもみなさんにとって該当するわけではありませんが、該当となるものがあれば、年内締め切りでも少し早めに手を打ったほうがよさそうなものをご案内しました。年の瀬に向けて忙しくなる前にできることから進めておきましょう。
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等、多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。