第一子が生後6カ月を迎えたころから眠れなくなり、ちょっとしたことにイライラしたり、急に涙が出たりすることが増え始めました。家事が思うように進まないことや、子どもが泣いても応えられない自分に対しての腹立ち。さらに家事や育児に関心のない夫の不用意な発言や態度に、イライラすることが多くなったのです。
眠りたい!でも眠れない
完全母乳で子育てをしていたのですが、母乳の出が悪かったのか、頻繁にお乳を欲しがって泣く子ども。夜の寝かしつけに1時間、その後2時間おきの授乳と、まとまった睡眠時間が取れない毎日が続きました。
家事に手を抜くことを許さない夫の機嫌を伺いながら、子どもが寝たときには「時間を有効活用したい」と英語の勉強や家事に費やし、つねに休むことなく動いていました。そのうち子どもが眠っても寝つけなくなり、外灯の光や、アパートの上の住民の物音が気になるなど、ちょっとしたことにも過敏になり、まったく眠れなくなってしまったのです。
達成感が欲しい
夫の仕事の関係で引っ越したため、親戚も知り合いもいない環境での子育ては孤独そのものでした。ママ友もできず、公園に行っても他のママにどう話しかけてよいのかわからず、まるで子どもと自分が缶詰にでも入れられ、閉じ込められているような息苦しさを感じるようになり始めました。
子育ての悩みを実母に相談しても「みんなそのくらいのことやっているよ、しっかりしなさい」と言われ、義母に弱音を吐くと子どもを取り上げられてしまう可能性もあり、誰にも相談ができなかったのです。
せめて、自分が何かをしている達成感が欲しくて英語の勉強を独学で始めたのですが、夫には「そんなものを勉強して何になる」と言われてしまいました。
どうしよう、イライラが止まらない!
ある日、「朝の支度はまだ?」という夫のひと言をきっかけに、今まで感じたことのない苛立ちが私を襲いました。部屋にとじ込もり、あらゆる物を投げたり、ひっくり返したり。止めたいと思っても自分の感情と行動がコントロールできませんでした。子どもの泣く声とドアの隙間から夫のおびえた顔が見えたことで少し冷静になり、やっと暴れるのを止められました。
そんな自分の変化に怖くなり、いのちの電話や健康相談ダイヤルに電話をしました。健康相談ダイアルの担当看護師からは、苛立ちを抑えるためには睡眠時間や栄養が必要であること、そして早急に心療内科に行くことを薦められました。
心療内科ではお薬を処方され、医師からすすめられた動物性たんぱく質を摂り、バランスの良い食生活に変えたことで、3カ月経過したころには少しずつ気持ちも穏やかになり、ようやくゆっくりと眠れるようになったのです。
育児は一人で抱え込まないこと、息抜きの時間も必要だということ。そして忙しくてつい自分の食事は後回しになりがちだけれど、体と心のためにはバランスの取れた食生活が大切だということがわかりました。溜まった愚痴やストレスを開放する時間をじょうずに見つけ、笑顔で過ごせる工夫をする必要があると感じました。
著者:早川実
一男一女の母。元保育士。アロマセラピストやリフレクソロジストの資格を取得。育児、美容系サイトを中心にフリーライターとして活動中。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。