心拍が確認できない…稽留流産とは?原因や次の妊娠への影響は!?

2018/10/23 19:00
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この記事では稽留(けいりゅう)流産について、医師監修のもと、解説します。妊娠初期に起こる流産に最も多い原因は、受精卵の染色体異常となります。流産の中でも発生率の高いものとして、稽留流産があります。
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診察を受ける妊婦さんのイメージ

 

妊娠が判明し、赤ちゃんの誕生を楽しみにしていたけれど、流産となる可能性は誰にでもあります。今回は、妊娠12週未満に自然に起こる流産のひとつ、稽留(けいりゅう)流産についてお話します。

 

稽留流産とは?

流産とは妊娠22週を迎える前に赤ちゃんが亡くなることをいいます。妊娠初期に起こる流産に最も多い原因は、受精卵の染色体異常となります。流産の中でも発生率の高いものとして、稽留流産があります。

 

稽留流産は、子宮内で赤ちゃんが亡くなって、妊娠が継続できない状態になっても、お母さんから性器出血や下腹部痛などの症状がなく、子宮内に赤ちゃんが留まっている状態のことを言います。妊婦さん本人に何も自覚がないこともあり、病院での超音波検査で赤ちゃんが亡くなっていることを指摘されることが多いです。また、基礎体温については、赤ちゃんが亡くなっていても黄体ホルモンが分泌されるため、基礎体温は高いままとなります。


稽留流産の診断は、プローブと呼ぶ器具を身体に当てて体内の様子を画像で映し出す超音波検査(エコー検査)によって行います。スティック状のプローブを膣へ挿入してお腹の中を画像で映し出す経膣エコー、あるいは腹部にプローブを当ててお腹の中の画像を映し出す経腹エコーを使って、子宮内の赤ちゃんの様子を確認して診断します。

 

医師は一度きりの診察で稽留流産と決定せず、1~2週間の合間をおいてから、もう一度診察をして、赤ちゃんの心拍の確認をします。しかし、妊娠8週以降で赤ちゃんの心拍が停止または順調に育っていない場合は、一度の診察で稽留流産と診断されることもあります。

 

稽留流産と診断されたら

稽留流産と診断された場合は、入院して手術あるいは自然待機のいずれかを選択して治療します。入院して手術する場合、入院当日に麻酔をして子宮内容物除去術という手術を行います。入院期間は状況や病院によって異なりますが、半日から1泊程度です。


妊婦さん本人としては、何も自覚症状がない状態で診断を受けて手術となるため、心の準備が追い付かないこともあると思います。治療方法としては、すぐに手術せず、自然待機といって、自然に子宮内容物が排出されるのを待つケースもあります。しかし、この自然待機を選択した場合、急激に下腹部痛が起きて緊急入院になることや出血が多く輸血が必要なほどの緊急事態になり得ることがあるため、妊婦さんの身体への負担を考えて、治療方法としては、計画的に入院と手術をすることが多いです。


次の妊娠への影響は?

稽留流産後の妊娠については、女性の心身の回復を待ってからが望ましいでしょう。月経が再開すれば、妊娠できる状態に身体が回復しているサインですので、月経が1~2回来た後に妊娠することが出来ます。産婦人科医からも、1~3カ月は避妊するように伝えられるでしょう。また、流産から次回の妊娠までの期間の長さと次回妊娠の成功する確率は関連していません。そのため、赤ちゃんが欲しいと思っている場合、流産を経験した後に、最短でも1~3カ月は避妊することが望ましいですが、逆に長期間避妊する必要はありません。


原因の有無に関係なく、流産を2回連続で起きたら反復流産、3回以上続く場合は習慣流産とよびます。妊娠はできても、流産や死産を繰り返す不育症という場合は、カップルで専門的な治療が必要なこともありますので、流産が続く場合は医師に相談しましょう。

 

まとめ

稽留流産は、妊娠12週未満に起こる妊婦さんに自覚症状のない流産です。女性だけでなく、パートナーも傷ついていることもあります。流産の後、次の妊娠を焦る気持ちもあると思いますが、流産を経験した悲しい気持ちを曖昧な状態に放置せず、パートナーと次の妊娠のタイミングについて十分に話し合いましょう。

 


日本医科大学産婦人科入局後、派遣病院を経て、米国ローレンスリバモア国立研究所留学。その後、日本医科大学付属病院講師となり、平成7年5月から三楽病院勤務。日本医科大学付属病院客員講師、三楽病院産婦人科科長を務めた後、退職。2004年2月2日より、三鷹レディースクリニックを開業。

 

※参考:日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会「産婦人科診療ガイドラインー産科編 2017」〈 http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_sanka_2017.pdf 〉、日本産科婦人科学会「流産・切迫流産」〈 http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=4


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