子どもが1人のときはその子の育児に専念できたため、安全面にも細心の注意を払っていました。しかしきょうだいが増えると、その状況はガラリと変わります。目が行き届かず、思わぬ事故が発生してしまうというケースも……。その危険性と対処法をお伝えします。
赤ちゃんの誤嚥(ごえん)事故とは?
誤嚥とは、食べ物や異物などが何らかの理由により誤って気道に入った状態を言います。誤嚥によって窒息に至る可能性もあり、ときには命にかかわることもあります。特に、赤ちゃんには以下のような理由で誤嚥事故が起こりやすいようです。
●口からのどまでの距離が短いため、口の中に入れた異物などがのどの奥に入りやすい
●吐き出す力が十分ではなく、のどに詰まった異物を自力で吐き出すことが難しい
●行動特性上、何でも口に入れてしまう
きょうだいがいる家庭に潜む危険!
厚生労働省の出生児縦断調査によると、きょうだい児がいる家庭の場合、1人目の子どもが2歳になるまでに2人目の子どもが生まれる割合は約75%と、かなり高い数値が示されています。
上の子が1~2歳とまだ幼い場合、おもちゃをじょうずに片づけることはもちろん、赤ちゃんがおもちゃを飲み込んでしまうことに危機感を持つことなど、とてもできません。また、上の子にとっては対象年齢に合っているおもちゃでも、下の子にとっては危険な場合もあります。そのような理由で、兄や姉のおもちゃによる赤ちゃんの誤飲事故が起きてしまうのです。
誤嚥事故の予防対策は?
赤ちゃんの誤嚥事故が起りやすいものの例として、筆記用具やヘアピンなどのアクセサリー、お菓子(ナッツや飴など)、お菓子のおまけとしてついているシールや小さなおもちゃなどが挙げられます。
予防対策
- ●兄や姉におもちゃを片づける習慣を身につけさせる
- ●ベビーベッドやベビーゲートを活用し、赤ちゃんのセーフティースペースを作る
- ●赤ちゃんの口に入る大きさ(39mm以下)のおもちゃは排除する
- などです。
- しかし、一番の対処法は保護者ができる限り目を離さないこと! 万が一の際にもすぐに対処できる体制を整えておきたいものです。
誤嚥、誤飲してしまったら?
もし窒息してしまった場合の対処法を確認しておきましょう。乳児には、「背部こう打法」を行うことが多いようです。
出典:子ども安全メール from 消費者庁
「きっと大丈夫だろう」「飲み込むはずがない」など、“根拠のない自信”を持つのは禁物。きょうだいの持ち物による赤ちゃんの誤飲や誤嚥、窒息などの怖い事故を起こさないためにも、子どもが安心して過ごせる空間づくりに努めましょう。
参考/子ども安全メール from 消費者庁