「おなかの中の赤ちゃんを、必ず幸せにしてあげたい」と、ママは誰しも思うはず。実は、赤ちゃんのほうも「ママを幸せにしたい」と思ってくれているのかもしれません。私がそう考えるようになった妊娠・出産のエピソードをご紹介します。
胎動が穏やかな赤ちゃん
妊娠当時、「赤ちゃんの蹴りが激しくて肋骨が折れた」という体験談を聞いた私。初めて胎動を感じたときはうれしかったのですが、これからもっと激しくなるのかと思うと不安でした。
ところが、赤ちゃんはぐにぐにぐるぐる動くだけ。おなかを蹴られることはありませんでした。蹴らずに動いているだけで、わたしは「きっとやさしい子なんだな~」と思っていました。
赤ちゃんは空気を読んでいる!?
ようやく臨月を迎えたころ、夫に大きな仕事が舞い込みました。その仕事は夜中までかかるもので、仕事に行ってほしくなかった私は「その日に産んじゃおうかな~」なんて冗談を言って夫を困らせていました。
ところがその仕事の前夜、私は今までにない腹痛に見舞われます。急いで産婦人科に駆け込み、そのまま出産。結局夫は仕事には行けなかったのですが、「この赤ちゃん、空気読めすぎだろう!」と夫婦共々驚きました。
生まれてからもママを気づかう赤ちゃん
赤ちゃんの体重は十分でしたが、早産になってしまったので「私が寂しがったから早く生まれちゃったんだ……」と申し訳ない気持ちになりました。さらに、授乳もうまくいかず憂うつな気持ちに……。
でも、そんなとき助産師さんが「この子偉いね! かんしゃく起こさないで頑張っている」と声をかけてくれたのです。「私のために頑張ってくれているんだ!」と感動し、私も赤ちゃんのために頑張ろうと思えるようになりました。
おなかの中にいても生まれてからも、ママの気持ちは赤ちゃんに伝わっていて、想像以上にママのことを大切に思ってくれているのだと感じました。赤ちゃんがママを思う気持ちに負けないくらい、私も赤ちゃんを大切にしたい……そんな気持ちになった体験でした。
著者:鏡 環
2歳の息子の母。現在第二子妊娠中。元高校教員。うつ病と闘いながら夫と二人三脚で育児に励む。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。