
突然の地震!パニックになる子どもたち
この日、祖母と叔父の家に私たち家族6人、弟夫婦、もう1人の弟と両親で集まっていました。16時ごろ、私は夕食の準備をしていたので、弟夫婦と弟はわが家の4人の子どもたちと遊んでくれていました。
そのときに突然起こった地震。子どもたちは初めての大きな地震にパニックに。家族内で話し合った結果、家の中は危ないかもしれないということで、揺れが収まってから外に出て、徒歩で避難場所へ行くことになりました。
私は祖母を支え、夫は飼い犬を抱っこした状態だったので、弟夫婦と弟が主に子どもたちのことを守ってくれていました。
避難中、義妹からまさかの提案
家の外に出ても震えが止まらない子どもたちを見て義妹は私に「子どもたちにラムネを食べさせてもいい? 車にあるから」と声をかけてくれました。
私が「それって車用のやつでしょ? 申し訳ないからいいよ! 子どもたちも空腹は我慢できるよ」と遠慮すると、義妹は「空腹っていうより、甘いものを食べると心が落ち着いてホッとすると思うよ。だから食べて大丈夫ならあげるね」と……。
そして子どもたちに「甘いものを食べたらホッとするから食べよう。ラムネ欲しい人!」と言って幼児でも食べられるラムネを配って少し笑顔を戻してくれ、私たちには思いつかなかった義妹の気遣いに私は心打たれたのでした。
※ラムネは、丸いもの・ツルッとしたもの・硬いもの(乾式ラムネなど)は窒息の恐れがあり危険なので、子どもに与えないようにしてください。やわらかくすぐに溶ける幼児用のラムネを選びましょう。
義妹のやさしさで気づかされたこと
私は義妹の行動と言葉に心打たれると同時にハッとさせられました。子どもたちの身の安全を守ることしか考えていなくて、心のケアについて何も考えてあげられなかったことに気づかされたのです。初めての大きな地震で、怖い思いをしている子どもたちにいつもの対応だけではダメだったなと反省させられました。
義妹のおかげで、子どもたちは心をいったん落ち着けることができました。避難場所でも子どもたちにたくさん話しかけてくれたり、抱っこしてくれたり、たくさん助けてもらい、義妹には本当に感謝しています。
その後、揺れの回数がおさまってきたので3時間後に無事に自宅に戻ることができました。義妹の言動や気遣いをきっかけに、緊急事態発生時の自分の行動についても考えさせられました。この経験から、幼児用のラムネなどの甘いものを子どもたちの分、常にバッグに入れておくようにしています。
著者:松谷 えりな/30代女性。令和元年生まれの息子と、平成28年、平成30年、令和2年生まれ娘たち4児のママ。教員免許保持。子ども4人と夫、ペットのわんちゃん1匹と暮らしており、趣味は子どもたちといろいろな公園へ遊びに行くこと。
作画:まっふ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年12月)