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「もう洋服は似合わない」ファッション迷子の50代。オシャレを再び楽しめるようになったきっかけは

50代前半の私には2人の子どもがいますが、子どもたちは成長して家を離れているので、2歳年下の夫と2人で暮らしています。20代のころは身長が高くて痩せていたので、どんなファッションでも着こなしていた私。しかし、2人の子どもを出産後は子育てに必死で、自分の身なりに気を配る余裕がどんどんなくなっていきました。そんなオシャレとは程遠い生活を送っていた私に転機が。再び私に自信をつけさせた、あるきっかけとは?

 

イケていた若かりしころの私

私は背が170cm近くあり、20代のころは細身だったので、お世辞かもしれませんが「モデルみたいだね」とよく言われていました。流行にも敏感で、はやりのデザインだけではなく、ちょっと斬新なスタイルにも挑戦し、オシャレを楽しんでいました。

 

30代前半で夫と結婚し、2人の子どもにも恵まれ、幸せな家庭を築いていました。その半面、子育てに追われる毎日で、ファッションに気を配る余裕はまったくありません。夫がもともとオシャレだった私の豹変(ひょうへん)ぶりを見かねて、上の子どもが10歳のころの結婚記念日に「たまにはオシャレして出かけてみよう」と誘ってくれました。それでも私は「オシャレして出かけるのも面倒くさい」と断っていました。動きやすく、汚れても大丈夫な服ならどんな服でもいいやと思っていた時期です。

 

20代のころのファッションを諦めた

下の子どもが18歳になり、子育ても一段落してきたある日、私の誕生日に夫からプレゼントが。グレーのシンプルなデザインで、足首が隠れる丈の細身のワンピースです。私が「かわいい! 私好みのワンピース!」と喜んでいると、夫も「付き合い長いから大体どんな服が好きかわかるよ」とちょっと得意気。付き合っていたときも夫から服のプレゼントをもらうことがありましたが、夫も流行には敏感なほうなので、いつも私好みのセンスのいい服を選んでくれます。

 

しかし、私には不安が1つありました。2人目を出産後、体重が10kg増えたままなのです。それでも見た目では着られそうだったので、早速もらったワンピースを着てみました。すると、ぎりぎり着ることはできましたが、鏡に映った自分の姿にがく然! ぜい肉が付いたおなか周りはピチピチで、ワンピースは今にも引きちぎれそうです。その自分の姿に私はショックを隠せません。

 

夫は「ごめん。昔のサイズを思い出して買ったんだけど」と気まずそうに言いました。私も「こちらこそプレゼントしてくれたのにごめん。着れるように痩せなきゃね」と苦笑い。これを機にダイエットにチャレンジし、なんとか3kg痩せたものの、そう簡単に20代のころのような体型までは戻らず。結局、昔のようにどんなファッションでも似合う自分には戻れないと諦めてしまいました。

 

 

洋服は諦めたけれど…新たな道が見えた

夫からもらったワンピースは着られないまま、私は50代になり、息子が結婚することに。お嫁さんから「私の両親が結婚式は着物を着たいと言っているのですが、お義母さんも着物にしませんか」と言われ、お嫁さんと一緒に結婚式で着る着物を選びに出かけました。試着して鏡を見ていると、「わーすてきですね。着物とっても似合ってます」とお嫁さんに褒められ、「ほんと? 着物っておなかも隠れるのね」と照れながら舞い上がってしまった私。

 

そして、結婚式当日。お嫁さんに褒められた着物で参列し、親戚から「私もAちゃん(私)みたいに着物を着たかったわ」「お嫁さんに負けないくらい若々しくてきれいね」と称賛の嵐! 私が「着物ならいけるかも!」と着物ファッションに目覚めた瞬間でした。

 

結婚式は終わったものの、着物を着たときの興奮が忘れられない私は、自分で着物を着られるようになりたいと着付け教室に通うようになりました。洋服と違い、着物なら気になっていたおなかのお肉も気にならず、好きなデザインのものを選べます。私はすっかり着物の魅力にハマってしまい、普段でもお友だちと食事に行くときや家族と出かけるときにも着物を着るように。洋服がうまく着こなせないとファッション迷子になっていた自分はどこへやら。今では、自分で着付け教室を開くまでになりました。

 

夫がプレゼントしてくれたワンピースは1度も着ることができず、申し訳ないと思っています。それでもタンスに眠るより誰かに着てもらったほうがいいだろうと思い、娘に譲りました。

 

まとめ

着物は洋服に比べると動きづらく、着るのにも手間がかかります。しかし、着ると凛とした気持ちに。昔のように服を着こなせなくなった自分に落ち込むこともありましたが、着物というファッションに出合い、今では体型を気にすることなく着物を着ることを楽しんでいます。

 

あのとき、お嫁さんに着物を勧められなかったら、ファッション迷子のまま、平凡な毎日を過ごしていたかもしれません。着物との出合いによって、今の自分を受け入れ自信を持って生活できるようになり、今は毎日がとても充実しています。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

 

著者:福田 エリカ/50代女性・主婦。息子と娘の子育てがひと段落し、自分時間を大切にしている。

イラスト/ののぱ

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年1月)

 

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