消えたハンカチの行方は…
Aも一緒に探してくれましたが、やはり見つかりません。そのハンカチは息子の名前入りで、出産祝いとしてもらった大切な物だったので、失くなったことがとてもショックでした。Aは落ち込む私を「家にあるかもしれないよ」と励ましてくれます。いつまでも落ち込んでいても仕方がないので、見つかったときのために支援センターのスタッフさんに連絡先を伝え、その日は帰宅しました。
すると数日経ったある日、支援センターから1本の電話が。出てみると、「この前失くされていたハンカチですが、見つかりましたよ!」と言うのです。電話を切り、すぐに取りに行くと、電話をくれたスタッフさんが明るく迎えてくれ、ハンカチを渡してくれました。「ありがとうございます! ところでどこに?」と聞くと「玄関の前にありました」と答えが。不審に思った私は「玄関は何度も探した場所です……。帰りにも通りました。そこに落ちていたなんて、おかしいです……」と伝えました。すると念のため防犯カメラを確認してくれることに。
しばらくして戻ってきたスタッフさんが「あの、言いづらいのですが……」と映像を見せてくれました。なんとそこに映っていたのは、Aの姿。玄関の前でカバンからハンカチを取り出し、地面に置いたのです。
映像の日付は、私がハンカチを失くした日よりあと。驚いた私はすぐにAを呼び出して、説明を求めました。すると「私は悪くない……!」と開き直ります。「どういうこと?」と話を聞くと、その日家に帰ってカバンを開けると、私のハンカチが入っていたのだそう。Aの子どもは、おもちゃやリモコンをゴミ箱やカバンなどに入れて遊ぶことがあったので、すぐに自分の子どもの仕業だと思ったそうですが、私に盗んだと思われるのが嫌で、後日こっそり玄関に置いたのだと言います。私は「正直に話してくれたらよかったのに。疑ったりしないよ」と伝えました。Aは「うん……」と言うもののはっきりしません。
すると一連のやりとりを見ていたスタッフさんが「物が失くなったり入れ違いになったりすることは、子どもをもつママなら誰しも経験することよ。そんなときに素直に謝る姿を見せることが、子どもにとっても大事じゃないかしら」と諭してくれました。Aは、はっとした様子で、ようやく「正直に話さなくてごめんなさい」と謝ってくれ、和解したのでした。
この日ハンカチを持って帰ってしまったのはAですが、もしかしたら私が間違って他の人の物を持って帰ることもあるかもしれません。支援センターのような子どもが集まる場所に行ったときには、帰るときにカバンの中を確認してトラブルを防ごうと思った出来事でした。
著者:谷口ひかり/30代・ライター。1歳の男の子を育てるアラサーママ。初めての育児に奮闘中。意思表示ができるようになった息子は地面に転がり今日も泣いている。毎日の楽しみは寝かしつけ後の晩酌。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年12月)
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