子連れのエスカレーター事情
その日私は、末っ子を抱っこひもに入れた状態で幼稚園生の次女と手を繋ぎ、後ろから小学生の長女を見守るかたちでエスカレーターに乗りました。
以前はステップの右側を空けていたのですが、最近は「歩かずに立ち止まって2列に並ぶ」とアナウンスしているので並んで乗るようにしています。
私が左側に、次女が右側に立って並んでいたのですが、しばらくすると後ろから、大学生くらいに見える男性がものすごい勢いでエスカレーターを駆け上がって来たのです。
「痛い!」ヒヤッとした瞬間…
私はとっさに次女を引き寄せ、ステップの右側を空け、男性を通しました。
しかしそのとき、男性の持っていた紙袋の角が次女の頬に当たり、娘が「痛い!」と声を上げたのです。
次女の声に気づいたかはわかりませんが、男性はそのまま駆け上がり、見えなくなってしまいました。
安全に乗るためには?
幸い、次女にけがはなく一安心。すると長女が「エスカレーターって2列だよね?」「みんな2列で乗れば歩くより早くない?」と呟いたのです。私は「2列が基本だけど、急いでいる人に道を譲るのと同じで、通りたい人がいたら譲ってあげよう」と答えました。
長女は腑に落ちない表情でしたが、私は「譲らないことでケガをしたり、トラブルに巻き込まれたりするのを避けるためにも譲ってほしい」という思いを伝えたのでした。
私は密かに「右側にどうぞ」と誘導してくれる案内スタッフや案内ロボットがいてくれたらいいなと思っていますが、そんな日が訪れるまで時間がかかりそうなので、親としては悩ましい問題です。
エスカレーターの2列乗りはなかなか浸透せず、今回のように動かないと危ない場面に遭遇することもあります。ルールを守ることはもちろん大切ですが、子どもたちには周囲の状況を判断して、安全に行動する力を身につけてほしいなと感じた出来事でした。
著者:河原りさ/30代女性。2016年生まれと2018年生まれの女の子2人、2024年生まれの男の子のママ。花屋に勤務。都会のおでかけスポットや植物に関心あり。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年2月)