赤ちゃんが風邪をひいたら?熱・咳・鼻水別に対処法や受診の目安を解説!

2018/12/12 19:00
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この記事では赤ちゃんの風邪について医師監修のもと解説します。赤ちゃんはいつごろから風邪をひくのか、症状やいつ病院へ行けばいいかなどの気になる対処法を専門家が解説していきます。
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赤ちゃん発熱のイメージ

 

「赤ちゃんは風邪をひかない」といったことを耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。しかし、ママのおなかの中で守られていたころと違い、生まれた後の赤ちゃんはさまざまなウイルスや細菌にさらされるため、風邪をひくこともあります。今回は赤ちゃんの風邪について、いつごろから風邪をひくのか、症状やいつ病院へ行けばいいかなどの気になる対処法を解説していきます。

 

赤ちゃんが風邪をひくのはいつから?

「赤ちゃんは風邪をひかない」と勘違いしてしまう方も少なくないようです。しかし、生後1カ月未満の赤ちゃんも風邪をひくことがあります。「赤ちゃんは風邪をひかない」という情報が流れるのは、生後4~5カ月ごろまでの赤ちゃんは「風邪をひきにくい」といわれているためかもしれません。赤ちゃんは「免疫」というウイルスや細菌から体を守る能力をママにもらって誕生しますが、生後4~6カ月ごろになるとママにもらった免疫力は弱くなってしまうのです。また、出生後の環境はママのおなかの中とは違い、多くのウイルスや細菌に直接さらされることになります。赤ちゃんは自分でも免疫力をつけていきますが、赤ちゃんのうちは免疫力が弱く、風邪をひきやすいので注意が必要です。

 

赤ちゃんの風邪の症状

赤ちゃんも子どもや大人と同じく、風邪をひいたときの主な症状は、熱・咳・鼻水の3つです。熱や咳などの症状は、免疫の働きによって「防御反応」として起こります。たとえ体を守るために必要な反応だとしても赤ちゃんが熱を出したり、咳き込んでいたりするとママは心配です。3つの症状について基本的なポイントを押さえ、理解を深めておきましょう。

 

赤ちゃんの体温は37℃前後で、大人に比べると体温が高めです。そのため、「ちょっと熱っぽいかな?」と思っても、赤ちゃんにとっては平熱の場合もあります。発熱は、「平熱から1℃以上、高い状態」が目安です。体温には個人差があるので、普段から赤ちゃんの平熱を確認しておきましょう。ただし、体温は個人差のほかに、体温計の種類や測定場所、測った時刻などの違いによって温度に差が出ます。特に、赤ちゃんの体温は、室温などの環境の変化で変わりやすいので注意しましょう。たとえば、部屋が暑かったり、厚着をさせていたり、または布団の掛け過ぎなどで熱がこもり、体温が一時的に高くなることがあります。熱のほかに鼻水などの症状もなく、おっぱいの飲みもよく、機嫌もよければ一時的に体温が上がった可能性もあるので室温や服を調整してから測り直しましょう。

 

咳は気管に入ったウイルスや細菌などを追い出したり、痰を出しやすくしたりするなどの大切な役割をもっています。風邪による咳であれば、3~7日ほどでおさまるのが一般的です。咳は「コンコン」と乾いた咳もあれば、「ゼロゼロ」と痰がからんだ湿った咳もあります。また、喘息のときには息を吐くときに「ゼーゼー、ヒューヒュー」と音がする咳が続き、呼吸が苦しそうになります。赤ちゃんが咳をしているときは、咳がどのくらい続いているか、どんな音がしているか、苦しそうに呼吸をしているかなどを確認しましょう。

 

鼻水

鼻水は鼻の粘膜を湿らしたり、ウイルスを体から出したりするために分泌されます。

鼻水によって鼻詰まりになると、赤ちゃんにとっては呼吸がしにくくなるのでつらい状態になります。特に、おっぱいやミルクを飲んでいるときは口が塞がれているので、鼻で呼吸しなければなりません。そのため、赤ちゃんは鼻詰まりで鼻が塞がれた状態になると、哺乳がうまくできなくなってしまいますので、様子をみながら授乳させることが必要です。

 

赤ちゃんが風邪をひいたときの対処方法

体温が高めのときは、先ほどお話したように部屋の温度や厚着、布団の掛け過ぎなどが原因で熱がこもっている可能性もあります。まずは、室温や服などを調整して一時的な体温上昇か、発熱かを確認しましょう。

 

風邪をひいたときに熱が出るのは、高い体温の方がウイルスや細菌の増加を抑えることができ、免疫力が上がるためといわれています。赤ちゃんの体の中では、体温を高くしてウイルスや細菌と必死に戦っている状態ですので、発熱した赤ちゃんを見ていると心配になるかもしれませんが、心配し過ぎずに落ち着いて対応することを心がけましょう。

 

発熱した場合には、頭を冷やしてあげると赤ちゃんは気持ちが落ち着きます。熱を下げる効果はそれほどありませんが、冷やすことで気持ちよく休めるようになり、結果的に症状の改善に繋がりやすくなることになります。水につけて軽く絞ったタオルをビニール袋に入れて冷凍庫で冷やし、ある程度冷えたら乾いたタオルの上にビニールごと乗せて、それを赤ちゃんの頭に乗せてあげるのもおすすめです。ただし、眠り込んだ赤ちゃんに水枕などを長時間使用するのは控えましょう。体温調節の未熟な赤ちゃんを冷やしすぎてしまうことがあります。 

 

また、熱が出て汗をかいたときは、水分が蒸発して体が水分不足となり、脱水に陥ることがあります。普段と比べ、「おしっこの量や回数が少ない」などの脱水症状には十分注意してください。脱水を予防するためには、水分を少量ずつこまめに与えましょう。

 

咳が出ているときは、喉の乾燥を防ぐためになるべく室内の湿度が50~60%になるように加湿しましょう。加湿すると、喉が乾燥して咳が増えるのを抑えることができ、痰も出しやすくなります。こまめに水分を与えて喉を潤すことも大切です。咳が多く、赤ちゃんが眠れていないようであれば抱っこしたり、上半身を少し起こしたりすると呼吸がしやすくなります。上半身を起こすときは赤ちゃんの背中に枕を当てて、寝ている姿勢から少し座る姿勢になるように調節してあげましょう。

 

鼻水

鼻水が出ているときは、こまめに拭いてあげましょう。また、鼻水が詰まってしまうと呼吸や食事、睡眠などにも影響が及びます。赤ちゃんのうちはママやパパが綿棒で鼻水を取ってあげたり、市販されている鼻水吸引器などを利用して、鼻水を吸い取ってあげるとよいでしょう。

 

病院へ行く判断の目安

赤ちゃんの体調は変わりやすいため、「どのタイミングで病院に行けばいいのか」と迷ってしまいます。病院へ行く判断の目安について風邪の症状別に紹介します。

 

生後4カ月以上の赤ちゃんの場合、38℃の熱があっても機嫌がよく、おっぱいもよく飲めていてるなら家で様子をみてもよいでしょう。もし、熱が数日続いている場合、38℃以上の熱や平熱より1℃以上高い熱があり、機嫌が悪く、おっぱいをあまり飲まないという場合は受診をおすすめします。特に、赤ちゃんに持病がある、熱のほかに嘔吐や下痢が続いている、ぐったりして元気がない、おしっこが12時間以上出ていないなどの場合は、すぐに病院へ行きましょう。

 

生後3カ月未満の赤ちゃんが熱を出している場合、何らかの病気が原因であったり、脱水を起こしていたりするので早めの受診が必要です。

 

赤ちゃんがどのような咳をしているのかを確認してください。コンコンと軽い咳がある程度でしたら、様子をみてよいでしょう。しかし、咳とともに嘔吐したり、痰に血液が混じっていたり、また、喉や肺から「ゼーゼー、ヒューヒュー」と音がして呼吸が苦しそうな場合、あるいは咳き込んで眠れないという場合には病院へ行きましょう。

 

鼻水

風邪をひいて鼻水が詰まってしまうと呼吸や哺乳がうまくできなくなったり、中耳炎などを併発したりすることがあります。ご自宅で鼻水を吸い取ることができない場合は、病院で鼻水の吸引をしてもらえるので受診するとよいでしょう。赤ちゃんは鼻詰まりが解消されると呼吸が楽になり、おっぱいも飲みやすくなって夜もよく眠るようになります。

 

早く対応するためのポイント

赤ちゃんの風邪を早くしっかり治すためにはどのような対処が必要か、日ごろから気を付けることや緊急の相談先について紹介していきます。

 

日ごろから気を付けること

・赤ちゃんの体調を観察する
赤ちゃんが風邪をひいてしまったとき、「普段とどのくらい違う状態なのか」を確認できる目安があると慌てずに対処できるでしょう。そのためには、普段の赤ちゃんの様子や行動、体温・授乳量(離乳食なら食事量)・便の様子・睡眠時間などを知っておくことが大切です。

 

・「いつもと違う」と思ったら病院へ
日ごろ赤ちゃんの様子を見ているママやパパが「いつもと違う」と感じた場合は、病院へ行きましょう。「病院に連れて行くと、かえって他の病気を移されるのでは?」と心配されている方もいらっしゃいますが、いつもと明らかに違う状態のときは自分で判断せず、受診をおすすめします。

 

緊急の相談先

・小児救急電話相談事業
厚生労働省では、小児救急電話相談事業という制度を開始しています。この制度は、子どもや赤ちゃんがケガをしたときや熱が出たときに「受診した方がいいのか」「どのように対処すればいいのか」など判断に迷ったときに、小児科医師や看護師へ電話相談ができるものです。地域によっては休日や夜間も対応してくれるので、「病院へ行くかどうかで迷っている」というときには、まず一度相談してみましょう。

まとめ

赤ちゃんが「風邪をひいたかな?」と思ったときは、普段の体温や体調と比べて「どのくらい違うのか」を確認してください。しかし、自分で判断できない場合や、いつもと明らかに違うと感じたときはすぐに病院へ行きましょう。また、病院へ行くか迷ったときは厚労省の電話相談などを利用し、受診のアドバイスをもらうとよいでしょう。

 

監修者

医師 杉田 えり 先生

小児科 | 新大塚こどもクリニック院長


東京女子医科大学小児科入局後、葛飾赤十字産院、東京女子医科大学母子総合医療センターNICU勤務を経て、現在、「新大塚こどもクリニック」院長。小児科専門医・指導医、周産期専門医(新生児)。

 

■主な経歴

東京女子医科大学 卒
東京女子医科大学病院 小児科  母子総合医療センター(NICU)
葛飾赤十字産院
山王病院

 

■専門領域

小児科専門医
周産期専門医(新生児)
小児科学会認定小児科指導医

 

■メディア履歴

豊島区の新大塚こどもクリニック - メディカリスト 小児科専門医のインタビュー

 

■HP:新大塚こどもクリニック


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