「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、赤ちゃんの便秘に関する質問です。
Q. 綿棒浣腸はあまりしないほうがいいのでしょうか?
生後2カ月の赤ちゃんのことで質問です。
最初は1日に10回ほど排便がありましたが、徐々に8回、次の日2回、次の日7回……という感じになり、最近では毎日2~3回です。10時間ほど排便の時間が空いたりすると、母乳の吐き戻しが増えたり気張っても出ず泣き叫んだりします。
前に綿棒浣腸をしたら噴水みたいにシャーっとゆるゆるの便がたくさん出ました。今日も昨夜の19時から朝の10時まで出ず、苦しそうに泣くので綿棒でくるくるっとしたら噴水のように出ました。1日に2~3回排便しているのに綿棒浣腸はあまりしないほうがいいのでしょうか?
高塚あきこ助産師からの回答
うんちが1日に2~3回出ていれば、回数としては特に問題ないかと思います。ですが、吐き戻しがあったり、踏ん張っても出ないというのは、見ていてかわいそうですね。まだ腹圧が弱く、自力で出すのが大変なのかもしれないですね。もし苦しそうにしている場合には、綿棒浣腸をしていただくのは特に問題ないと思います。生後2カ月ですと腸管も未熟ですので、水っぽいうんちが出るのもよくあることです。
綿棒浣腸以外にも、授乳後30分以上経過してからおなかを“の”の字にマッサージしたり、自転車こぎのような足を動かす運動をしたり、寝たまま蹲踞の姿勢(いわゆるウンチングスタイル)にしてみるなどの方法もありますよ。
腸内環境が安定してくるまでは、便秘や下痢を繰り返しながら徐々に腸の力がついてきますので、それまで長い目で見ていってあげてくださいね。
※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー
※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください
赤ちゃんの便秘の判断方法
赤ちゃんがうんちをするときに、いきんでいたり泣いていたりすると、うんちを出せなくて困っているのではないかと心配になる方もいると思います。実は、軟らかいうんちが出ていても便秘でないとは言えません。なぜなら、赤ちゃんはじょうずにうんちを出し切ることができないからです。また、排便回数やうんちの性状(色・かたち・におい・硬さなど)など、赤ちゃんの成長時期や食事の内容によっても症状に違いがあるため、毎日うんちが出ていても便秘の場合もあります。
フィラデルフィア小児病院のマニュアルでは、便秘の診断にはレントゲン検査が最も役立つとされています。直腸に便が多量に貯まっている状態は、たとえ毎日便が出ていても慢性便秘と考えます。慢性便秘は乳児期後期に多く体重増加不良の原因の1つになります。綿棒刺激で良くならないときは浣腸や酸化マグネシウムなどの内服薬を使います。
慢性便秘を放置すると小学生になって遺糞症(いふんしょう:便が直腸にたまっても感覚がなくなるために力んだときに少量の便がパンツにつくような状態)をきたすことがありますので、乳幼児期に排便習慣をつけておくと遺糞症は予防できると考えられます。
赤ちゃんの排便の目安
<新生児期>
つぶつぶとしたものと一緒に水っぽい黄色いうんちが毎日4回以上出ます。母乳育児だと、授乳のたびに排便する赤ちゃんも多いです。
<生後2カ月以降>
成長するにつれて、つぶつぶがなくなってゆるい茶色いうんちになります。排便回数は少なくなり、1日に2~4回の子が多いですが、赤ちゃんによって差があります。
<1歳ごろ>
軟らかいながらも形のあるうんちになり、排便回数は1日1~2回になります。毎日うんちが出るのが理想的ですが、その子に応じたリズムも考慮してよいと思います。
赤ちゃんは成長時期によって排便回数やうんちの性状などに違いがあると説明しましたが、それぞれの赤ちゃんによっても排便回数は異なります。排便回数だけではなく、うんちの硬さや排便しているときの状況も合わせて判断するようにしましょう。
便秘と判断するには4日以上うんちが出ていないことに加え、うんちがコロコロと硬くて出にくいことや、おなかが張っているなどの観察が必要です。また、うんちが硬いと排便のときに痛いので、うんちを出すときにつらそうにします。まずは排便習慣をつけるために、うんちが毎日出ることを目指しましょう。
便秘になった場合の解消方法
赤ちゃんが便秘になってしまった場合に、ママでもできる便秘の解消法を紹介します。
肛門刺激と腹部マッサージ
肛門に綿棒を挿入して、刺激をすることで排便を促します。肛門刺激の方法は、ワセリンなどを綿棒の先に付け、肛門に1〜2数cm挿入(便の出具合によって深さを調節します)します。また、赤ちゃんのおなかを「の」の文字を書くようにやさしくさすってマッサージしてあげるのも良いです。
果汁を与える(離乳食期以降)
薄めた果汁を与えることで、腸の動きを良くします。果汁(りんご、柑橘類など)は水で3倍程度に薄めて、1度に10〜20mlを飲ませます。
赤ちゃんの便秘は頻度が高いです。便が硬い、硬いうんちがちびちび出る、排便時に痛がる、便が出た日は食欲があり、便が出ない日は食欲が落ちる、体重増加不良などは慢性便秘の症状です。綿棒浣腸は新生児・乳児期におこなってあげると効果がありますが、慢性便秘の場合は浣腸や酸化マグネシウム等での治療が必要となります。
便秘がよくなるまで数カ月から数年かかる場合もありますが、命に関わる病気ではないので慌てずに対応していくことになります。
※参考:基礎知識(ベビー)「赤ちゃんの便秘の原因は?便秘かどうかの判断方法、解消法、注意が必要な症状について」【監修者:松井 潔 先生 小児科 | 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長】
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