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「義母の頬が腫れている!?」健康意識の高い80代義母の危ない習慣とは【体験談】

結婚して片田舎で夫の義両親と同居生活を始めてから25年余り。今や義両親は80代です。幸い、義父は高血圧対策の薬を飲んでいるものの、黙々と畑仕事に精を出し、健康上特に心配な点はない様子。一方、義母は腰や膝の手術を受けるなど、足腰に不安を抱えるようになりました。歩くと、よくふらつくと言います。気の強い義母は、脚力を取り戻そうと頑張りますが……。プレ介護世代である義母と同居している嫁の体験談です。

 

とにかく歩ける自分でいたい!でも、つえは嫌

義母は過去、畑仕事中にしりもちをつき背骨を骨折し、入院手術。その背骨の治療が終わったころ、今度は階段で転倒し、膝を骨折して人工膝関節装着の手術をしました。手術が功を奏したのか、ゆっくり歩けるほどに回復した義母は、月に2回整形外科へ通院しながら、老人会のグランドゴルフへ参加したり、義父と畑仕事へ出向いたりして、健康維持を心掛けていました。

 

しかし、80歳を過ぎ、義母は次第に頻繁につまずいたりよろけたりするように。若いころから健康体で疲れ知らず、運動も得意だった義母には受け入れ難い状態らしく、焦った義母は「とにかく歩けなくちゃ!」と、健康維持への取り組みを強化させていきました。

 

テレビや折り込みチラシで目にした健康法やサプリメントをいろいろ試し、「テレビで見たけれど、やっぱり毎日のウォーキングが一番いいって。筋肉の衰えを防がないとねぇ。毎日7000歩は歩きたいわ!」

自分で決めると、とことん頑張りたい性分の義母。努力家なのは良いのですが、今の義母にその目標設定が適度なのかどうなのか、私には少し疑問でした。また、つえを使うよう提案すると、「それは本当に年寄りみたいで格好が悪いから嫌」と受け入れてもらえませんでした。

 

歩数を稼ぐために雨の中を?

義母は毎日ウォーキング。足の調子によっては、目標の歩数に達しない日もあるようでしたが、歩けた日には、「今日は8000歩、歩いたのよ!」と歩数計を息子である夫にうれしそうに見せていました。「へぇ。よく歩いたな、さすがお袋! まだまだ大丈夫だね!」夫からの言葉に気を良くした義母はますます張り切りました。

 

そんなある日、私が仕事を終えて帰ると、義母の左頬が腫れていることに気付きました。「えっ、お義母さん、顔、どうしたんですか?」と尋ねると、義母は横目で私を見て、「ちょっと転んだだけよ」と。あまり話そうとしませんでしたが、夫が帰宅して問いただすと、雨の中、傘をさしてウォーキングに出たと言いました。

 

途中まで調子良く歩いていたらしいのですが、ふいに足の動きが止められなくなったと言います。「なんだか前へ前へ足がどんどん速くなって、転んでしまった。たまたま通りがかった人が助け起こしてくれて、車でうちまで送ってくれたわ」と。夫も私もびっくりしました。義母は段差の少ない直線の道を選んだというのですが、それは歩道もなく、車通りの多い道だったのです。雨の降る中、そんな道を歩いた理由はというと、「歩数を少しでも稼ぎたくて」とのことでした。

 

 

歩数よりも大切なこと

さすがに夫もこれはマズイと思ったらしく、義母に注意を促しました。「その道は車も通るし、危ないからやめなよ」「え? でも、見通しは良いし、車は私に気付くわよ」「お袋。車から見えているとは限らんし、よろけたら今度こそ車にひかれるぞ。歩数を稼ぐために危ないことしたって意味ないだろ。歩きたいなら、近所の路地を回ればいい。少々坂はあるけど、つえを使ってゆっくり歩けば? そして、雨の日の外歩きは無茶。家の中で歩いてよ」。夫の強めの発言に、さすがの義母も転んだ事実の手前、反発できず、不承不承ながらうなずきましたが、つえを使うことには抵抗がある様子でした。

 

これで義母が歩かなくなって衰えても困るなぁと思っていたところ、私の職場の先輩が「こんな講座があるよ」と1枚のチラシを見せてくれました。役場の主催する「いつまでも若々しく!シニアのためのウォーキング講座」の案内でした。歩き方からつえの使い方や栄養面のアドバイスなども学べる講座らしく、頑張り屋の義母には向いているかもしれないと思いました。チラシを1枚持って帰り、テーブルの新聞の上にそっと置いてみたところ、義母の目に留まったようでした。

 

講座を受けた義母は、実際につえを使った歩き方の体験をしたそうで、「一緒に講座を受けた人の中で、私は一番じょうずにできて褒められたのよ」とうれしそうに話し、その後つえを使って近所を歩くようになりました。歩数にこだわり過ぎることもなくなりました。

 

まとめ

健康のためにと思って始めたウォーキング。当初は義母が自己流で歩数を稼ぐことに夢中でしたが、家族のアドバイスや専門家の指導を受けて、本来の「健康維持」という目的に立ち返り、落ち着いたようです。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

 

著者:森原あさみ/50代女性。平日はお勤め、週末は農業。夫、子ども、義父母と暮らしている。多忙でも趣味やスポーツの時間はなるべくキープ。育児、介護、町の行く末までいろいろ気になる。

イラスト/sawawa

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年4月)

 

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