ベビーカレンダーは、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災を踏まえ、ママ・パパ798人を対象に、「災害・防災」に関する意識調査を行いました。子育て世代がどのくらい災害を意識して生活しているのか、どういった対策をしているのか、以下の調査結果から明らかになりました。
普段から自然災害の発生を意識しているママ・パパは約7割
日々の生活の中で、自然災害が起こることを意識しているか質問したところ、61.6%は「ある程度は意識している」、10.7%は「とても意識している」と回答。約7割の方が、日頃から自然災害の発生を意識して生活していることがわかりました。
また、普段から自然災害を意識していると回答した577人に、“災害に対する意識が高まったきっかけ”について質問したところ、1位は平成23年(2011年)に発生した「東日本大震災」69.2%でした。甚大な被害をもたらした「東日本大震災」を受けて、自然災害が他人事ではないという意識が強まったママ・パパが多いようです。続く2位は、「妊娠や出産」51.5%。守るべき家族が増えることも、災害に対する意識が高まる大きなきっかけとなることがわかります。
さらに、「大阪府北部地震」や「熊本地震」といった震災よりも多くの方が回答しているのが、3位の「西日本豪雨」41.8%。平成30年(2018年)7月に発生し記憶に新しいこともありますが、未曾有の豪雨による河川の氾濫、浸水害、土砂災害など、相次ぐ甚大な被害により、震災だけでなく「豪雨災害」への意識も高まったようです。
約6割の家庭が災害への備えや対策をしている!
家庭で災害への備えや対策をしているか質問したところ、「備えている」と回答した方は約6割。反対に「備えていない」と回答した方は約4割という結果になりました。
「備えていない」と回答した方からは、「意識はしているものの、先延ばしにしてしまっている」「何を備えたらいいかわからない」「あまり危機感がなく、なんとかなると思ってしまう」「育児・家事・仕事が忙しくて手が回らない」「予算がない」「備蓄品を置く場所がない」といった声が多くあがりました。
発災を意識して生活をしているものの、さまざまな理由により、備えや対策ができていないというママ・パパも多いことがわかりました。
災害への備えについて、「とても自信がある」ママ・パパは0人!
「家庭で災害への備えや対策をしている」と回答した470人に、災害への備えが充分である自信があるか質問したところ、「とても自信がある」と回答したママ・パパは、なんと0人でした。
一方で約7割もの方が「自信がない」と回答。何が起こるかわからない災害に対して、家庭での備えや対策に自信を持てない方が多いようです。
また、「家庭で災害への備えや対策をしている」と回答した方に、「ご自身の災害への備えを100点満点で採点すると何点ですか?」と質問したところ、平均点は45点という結果になりました。この点数からも、備えや対策にやや自信がないことがうかがえます。
「非常用食品・飲料水」2〜3日分を備蓄している家庭が多数!
「家庭で災害への備えや対策をしている」と回答した470人に、実践している備えや対策について質問したところ、下記のような結果になりました。1〜3位には、非常用持ち出し品の準備や備蓄をしているという回答が集中しました。
二次災害の対策としてたびたび注意喚起される「家具・家電などを固定し、転落・落下を防止」については、意外にも優先度が低くなってしまうのか、27.7%にとどまりました。さらに、「家族で防災会議(災害に備える家族同士の話し合い)、または防災・避難訓練をおこなっている」という方は4.5%と少数でしたが、具体的な実践内容として「家族がバラバラの場所にいた場合を想定した避難場所や、合流場所を話し合った」「実際に非常用持ち出しバッグを持って歩き、避難所まで行ってみた」「災害用伝言ダイヤル(171)を実際に体験してみた」などがあがりました。
そして、1位の「非常用食品・飲料水を備蓄している」と回答した385人に、何日分の食品・飲料水を備蓄しているか質問したところ、「2〜3日分」を備蓄している方が最も多く、62%でした。
保管場所を確保する必要があるため、物量的に2〜3日分が限度ということもあるようです。
451人中301人が、赤ちゃん用の災害時持ち出し品を準備
「家庭で災害への備えや対策をしている」と回答した方のうち、家族に赤ちゃんがいる451人に「赤ちゃんのために、災害時の持ち出し用として特別に準備しているものがあれば教えてください」と質問したところ、「紙おむつ/パンツ」と「おしりふき」がそれぞれ5割以上の回答数でした。次いで回答数が多かったのは「特に用意していない」33.3%。おむつやおしりふき、粉ミルク、着替えなどは普段から持ち歩くアイテムであるため、とりわけ災害用に準備をしていない方も多いようです。
この結果から、災害対策をしていて、なおかつ赤ちゃんがいる家庭(451人)の66.7%(301人)が、赤ちゃんのための備えを特別におこなっていることがわかりました。
妊娠・育児中に被災したママ・パパが、あって良かったものって?
今回のアンケート対象者のうち、妊娠中または育児中に被災した経験があるママ・パパは全体の7.5%でした。
妊娠・育児中に被災した経験があるママ・パパに「災害時にあって良かったもの、あったら良かったもの」を聞いたところ、基本的な食料や飲料の備蓄のほかに、「カセットコンロ」「自家発電機」「赤ちゃん用の水」「液体ミルク」などがあがりました。
過去に発生した「阪神・淡路大震災」や「東日本大震災」においても、ガスの復旧は電気・水道よりも遅いという事象があったためか、火を使って調理できる「カセットコンロ」が役に立った方が多いようです。
母子(妊産婦)専用の避難所、認知度は約7%と低め!
「災害時、母子(妊産婦)専用の避難所や避難スペースが設置される場合があることを知っていますか?」と質問したところ、93.1%のママ・パパが「知らない」と回答しました。災害時には、市町村が提携した大学や看護学校などに、妊産婦と生後間もない赤ちゃん専用の避難所または避難スペースが設置される場合がありますが、まだまだ認知度は低いことが露呈しました。
今回の調査により、未曾有の自然災害の発生や、妊娠・出産をきっかけに、ママ・パパの防災意識が高まっていることがわかりました。しかし、実際に備えや対策をしている方は470人と全体の約6割にのぼるものの、その中でも家庭での備えに自信がある方は少数で、470人中317人(67.5%)ものママ・パパが「備えに自信がない」という結果に。
また、全体の約4割は災害対策をしていないと回答していることから、災害の危険性や防災の重要性について、子育て世代にも周知拡大の余地があることが明らかになりました。
<調査概要>
調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」のサービスを利用された方
調査期間:2018年12月18日(火)~2018年12月24日(月)
調査件数:798件