隣の席の、じっと見ていたお母さん
開店直後の人の少ない時間を狙って来店し、うどんや玉子などおいしそうに喜んで食べる息子に「来てよかったなぁ」と思っていました。
しかし、慣れない場所での食事が楽しくなったのか、甲高い声で叫び始めてしまい、こちらもごはんをあげたり、おもちゃを渡したりと試行錯誤しましたが、声はなかなかおさまりませんでした。ハッと気づけば隣のテーブルの親子連れのお母さんらしき人がじっとこちらを見ていました。
再度、息子を静かにさせようと、普段から持ち歩いていた息子のお気に入りの絵本を取り出してみましたが効果なし。すると、ついにじっとこちらを見ていたお母さんが、「うるさっ」とボソッとつぶやいたのです。
私も夫も申し訳ない気持ちになってしまい、食事を楽しむ気持ちにはなれず、その時点で注文してあった分だけ食べて、帰ることにしました。
初めての外食だったということもあり、私も夫もすっかり落ち込んでしまいました。それ以来、いまだに家族で飲食店には行けていません。また息子が騒いでしまったら……と考えると、気が気ではなく、おいしく食べられない気がするからです。
同じ子連れの方から「うるさっ」と言われてしまったのは、本当にショックでしたが、一方で、子どもがまだ自分の気持ちをうまく抑えられないことを考えると、連れて行った自分たちにも反省すべき点があったと感じています。もう少し成長を待って、またどこかで、家族で楽しく外食できる日が来たらいいなと思っています。
著者:佐藤瑞希/30代女性/1歳の息子を育てる母。現在第2子妊娠中。義実家と敷地内同居。
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)
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