娘だけを乗せた電車が出発…
お互いに何度も家族で東京へ行ったことがあったので、複雑な電車の乗り換えもスムーズでした。しかし、待っていた電車のドアが開いて、まさに乗り込もうとしたその瞬間、ママ友の息子くんがつないでいた手を離して走り出してしまったのです。
ママ友の息子くんはあっという間に、反対側に停まっていた電車のほうに走っていってしまいました。慌てて息子くんを追いかけるママ友、ママ友を追いかけようとしたママ友の娘ちゃんを引き止めた私。そんなことをしていると、私自身が自分の娘から目を離してしまったのです。
ハッとして振り返ると、電車に娘だけ乗った状態でドアが閉まってしまいました。娘が乗った電車が出発していき、私はパニックで頭の中が真っ白に……。無事に息子くんを捕まえたママ友が電車の中の娘に向かって、必死のジェスチャーで次の駅で待つように伝えてくれました。
次の電車が来るまでは、実際には4、5分だったと思いますが、私には永遠のようにとても長く感じ、不安で泣きそうにながら娘が次の駅で降りていてくれることを祈りました。そして、私たちが乗った電車が次の駅のホームに入ると、見えたのはぴょんぴょん跳ねながら笑顔で手を振る娘の姿。娘と同じ電車に乗っていたスーツ姿の女性が一部始終を見ていて、娘に付き添い次の駅で一緒に降りて待っていてくれていたのです。
何度も頭を下げて感謝を伝える私に女性は、「無事に会えてよかったです! 息子さんもご無事で何よりです!」と、あたたかく対応してくれました。その後は何事もなく観光を楽しんで、あの女性のおかげで苦い思い出とならず、みんなで仲良く帰ることができた私たち。一生忘れられないお出かけになりました。
10年経った今でも、ママ友とこの話を振り返って盛り上がります。小さな子どもを連れていると、しっかり見ているつもりでも予期せぬ事態が起こることがあると痛感し、子どもから目を離さず、手を離さず、もしハプニングが起きてしまっても冷静に対処できるようにならなければいけないと強く思った出来事でした。
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子連れでのお出かけでは、思わぬトラブルが起きてしまうことがあります。特に出先では子どもたちも興奮して、予想外の行動をしてしまいがちです。出かける前に、親子で「絶対に手を離さない」「急に走り出さない」など、その時々に合わせてルールを話し合っておくと良いかもしれませんね。しっかり気をつけて、親子でのお出かけを楽しみましょう。
著者:伊藤 初子/40代・女性・パート。2児の母。
イラスト:miyuka
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)
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