「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は頭痛に悩む妊婦さんからのご相談です。
Q.頭痛がひどくほぼ寝たきりです
現在、妊娠35週6日です。もともと偏頭痛持ちで、妊娠前は予防のため毎日ミグシス、偏頭痛が出たときはゾーミックを服用していました。妊娠してから数回、偏頭痛になっており、症状の持続は長くて3日でした。最近はなかったのですが、おとといの夕方から頭痛がひどくほぼ寝たきりです。天気のせいかと思ったのですが、今朝起きてからも痛いです。この感じだと今日も1日痛いと思われます。
対策としては部屋を暗く、静かにしてアイスノンをあててひたすら寝ています。食事は摂っており、胎動もあります。
明日で臨月に入りますが、この時期の頭痛は病院に連絡すべきですか? それともいつも通り、治るまで我慢すべきでしょうか? 次の健診は1週間後です。
榎本美紀助産師からの回答
妊婦さんはホルモンの変化などから、頭痛が起きやすく、偏頭痛もあるとさらに強くなることがあります。頭痛の原因は、元々ある偏頭痛の可能性が高いですが、正期産の時期に入るので妊娠後期に血圧が急に上昇し頭痛が出ることもあります。血圧など自宅で測ることはできますか? 今は、頭痛薬は何か使ってらっしゃいますか?
頭痛があるので高く出る可能性もありますが、1度電話で産院でご相談されても良いかもしれませんね。
※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー
※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください
妊娠中の頭痛の原因と注意したい頭痛
妊娠中の頭痛には、大きく血管の拡張によるもの、筋緊張によるものがあります。そのほか、注意したい妊娠中の頭痛もあります。
筋緊張によるもの
妊娠によりおなかが大きくなることによって正しい姿勢をとることができず、首筋や肩のこりが生じる場合があります。それにともない、頭痛がおこることもあります。
血管の拡張によるもの
妊娠するとプロゲステロンという女性ホルモンの分泌量が急増します。プロゲステロンは、妊娠を継続させるために働く大切なホルモンですが、血管を拡張させるという作用もあります。プロゲステロンによって頭の血管が拡張し、血管の拍動によって神経が刺激され頭痛が生じるのです。
また、精神的なストレスも頭痛の原因として知られています。妊娠中は体が疲れやすくなったり、出産準備に追われて忙しかったりと、知らず知らずのうちに疲労やストレスを溜めてしまいがちです。過度なストレスによって「セロトニン」という物質が大量に分泌されるといわれています。セロトニンにも血管を拡張させる働きがあるため、同様に頭痛が生じてしまいます。
注意したい妊娠中の頭痛
一般的に妊娠すると血圧は妊娠前と変わらないか、やや下降するといわれています。しかし、「妊娠高血圧症候群」を発症することよって血圧が上昇し、頭痛が生じる場合があります。
妊娠高血圧症候群では、高血圧の徴候として頭痛が見られることが多くあります。くわえて眼華閃発(がんかせんぱつ/目がチカチカする)などの症状は、妊娠高血圧症候群の悪化や子癇(しかん/意識障害を伴うけいれん発作が起こる)のサインでもあるため、治療が必要になります。
妊娠高血圧症候群を予防するには、適度な運動とバランスのとれた食事を摂ること、塩分の摂りすぎには十分注意することが大切です。
妊娠中に頭痛薬の服用について
妊娠中とはいえ、あまりに症状がつらいときは薬の助けを借りたいという方もいると思います。一般的な頭痛薬は「解熱性鎮痛剤」「消炎鎮痛剤」などとも呼ばれ、痛みを和らげる効果が期待できます。しかし妊娠中は、服用してはいけない頭痛薬もあるので、市販薬を自己判断で服用するのは危険です。必ずかかりつけ医の指導の下で服用するようにしましょう。
頭痛薬を服用するときに、特に注意が必要なのは妊娠初期と妊娠後期です。妊娠4週~妊娠7週にかけては、赤ちゃんの臓器が形成される大切な時期です。薬剤による影響をもっとも受けやすく、奇形を生じるリスクが指摘されています。そして妊娠後期にNSAIDS(非ステロイド性抗炎症薬)を使用すると、おなかの中の赤ちゃんの動脈管が収縮し、心不全や子宮内胎児死亡につながる恐れがあるため、妊娠中の内服は禁忌とされています。
妊娠中に処方される鎮痛剤に、アセトアミノフェン(カロナール®)があります。アセトアミノフェンは、妊娠中の第一選択薬となります。
※参考:基礎知識(妊娠中)「妊娠中のつらい頭痛、頭痛薬の服用と頭痛の対処法について」【監修者:医師 太田 篤之 先生産婦人科 | おおたレディースクリニック院長】
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