急な生理に備えていたはずなのに
私は生理が近づくと腹痛や眠気などの症状が表れるため、大学生になるまではそれを基準に生理日を予想していました。そのため、生理がくる具体的な日にちまでは把握しておらず、生理前の症状があると、いつ生理がきてもいいように、ナプキンを毎日かばんに入れておくようにしていました。
しかし高校2年生のある日、休み時間に教室を移動しようと教科書を持って廊下を歩いていたときのことです。同じ演劇部の後輩の男子が少し気まずそうに「先輩、生理きてますよ」と小声で教えてくれました。
プチパニックの私に後輩男子は…
後輩男子の言葉に驚いてスカートを見ると、たしかに経血がついている! そのときは腹痛も眠気もなかったので、まさか生理がきているとは思わず、私はパニックになってしまいました。
その様子を見た彼は、とっさに自分が持っていた服を私の腰の辺りで縛り、スカートに染みた経血が見えないように隠してくれました。さらに、近くの教室へ入って行き、後輩女子を連れて戻ってきました。そして後輩女子は「これ使ってください」とポーチごとナプキンを貸してくれたのです。
トイレ中、後輩男子がまさかの行動!
さらに、ナプキンをつけにトイレに行こうとする私を、彼が引き留め、「薬とかありますか?」と聞いてくれました。スカートのポケットに薬があることを伝えると、彼は安心した表情になり、私はトイレへ。
そして私がトイレから戻ると、彼の姿がありません。トイレの前で待っていてくれていた後輩女子に、彼がどこに行ったのか聞こうとしたところ、ちょうど彼が戻ってきました。
なんと、彼の手にはペットボトルの水と制服のスカートが何着かあったのです。そのスカートは、衣装として演劇部が保管しているものでした。彼はそれを思い出し、わざわざ部室に取りに行っていたのです。しかも、私のスカートのサイズがわからなかった彼はサイズ別で3着ほど持ってきていて、途中で自動販売機に寄って水を買い、走って帰ってきたそう。私はそのやさしさにとても感動してしまいました。
この後、私は念のため薬を飲み、腰に巻いた学ランが汚れていないことを確認して、彼に服を返しました。彼がなぜここまで生理に理解があったのか……理由は聞けませんでしたが、彼が助けてくれて本当に助かりました。ナプキンをくれた後輩女子にも感謝しています。後日、2人にお礼としてごはんをごちそうしました。
著者:佐藤里桜/女性・主婦
イラスト:アゲちゃん
監修:助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
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