【医師監修】赤ちゃんが笑う「新生児微笑」とは?
赤ちゃんの微笑みを見ていると、見ている側も顔がほころんでしまいますよね。赤ちゃんはどのくらいの時期に、見ている側の顔を認識して笑顔を見せるようになるのでしょうか。今回は、赤ちゃんの“笑い”の発達についてお話していきたいと思います。
新生児微笑とは?
生まれたての赤ちゃんが見せる、笑顔のような表情のことを「新生児微笑(しんせいじびしょう)」と言います。そのほかに、自発的微笑とも呼ばれています。新生児微笑は、肌を触れられたり、人の顔が見えたりすることに反応した表情ではなく、口角が横に引き上げられる表情のことです。口角だけが上がる以外に、口角と一緒に頬も上がることがあり、ごくたまに口を開けたり、声を出す「自発笑い」が見られたりすることもあります。
新生児微笑は、眠っているときやウトウトとまどろんでいるときに見られることが多く、生まれて数時間~数日後から現れるようになり、生後4カ月くらいまで見られます。生後8カ月以降にはほとんど見られなくなりますが、たまに1歳前後でも睡眠中に見られることがあります。
この新生児微笑は、妊娠22~26週ごろにおなかの中の赤ちゃんでも見られることがあります。
社会的微笑とは?
生まれてから1週間ほど経つと、外からの刺激、例えば聞こえてくる生活音やお母さんやお父さんに抱っこされたときの肌の触れ合いなどに反応して、「外発的微笑(がいはつてきびしょう)」が見られるようになります。最初は睡眠中に、そして徐々に起きている時にも、聞こえてくる音に対する外発的微笑が増えていきます。その後、生後4週目ごろからは、生活音や外から聞こえてくる鳥や虫の音よりも、人の声に反応した微笑が増えてくるようになります。そして、生後1~2カ月ごろには、人の顔に対する微笑も見られるようになってきます。
このように人の声や顔を分かって反応し、微笑を見せることを「社会的微笑」と言います。社会的微笑は、大人の笑顔と同じように、口角が上がることに加えて、口が開いているか、目の周りの筋肉が動いて頬が上がるかなどで、いくつかのパターンに分類することができます。生後3カ月ごろの赤ちゃんが最もよく微笑を見せるのですが、この時期にはまだ人の顔を識別できているわけではないので、誰の顔が見えても微笑が現れます。
赤ちゃんがお母さんやお父さんと認識して笑うようになるのはいつから?
個人差はありますが、生後8カ月ごろになると、特定のよく知っている人を選んで笑うようになるので、このころには自分のお母さんやお父さんの顔を分かって笑うようになります。また、この時期くらいから、人見知りが始まるようになります。
赤ちゃんが笑わない場合は何か問題があるの?
一般的に人の顔を認識できるようになる時期を過ぎても、赤ちゃんが笑わない、あるいは表情に動きがないと「何かあるのでは!?」と不安になる方がいるかもしれません。赤ちゃんの表情に変化がないときは、発達面での問題があるかもしれません。
しかし、赤ちゃんにも個人差がありますので、必ずしも微笑が出る時期に微笑が見られるようになるとは限らないと、頭の片隅に入れておきましょう。もし不安な場合は、小児科医に一度相談してみましょう。
まとめ
おなかの中にいる時から始まる新生児微笑、生まれて徐々に刺激に対して外発的微笑が見られるようになり、人の声や顔に反応して社会的微笑を見せるようになる赤ちゃん。これらの赤ちゃんの微笑は、新生児微笑→外発的微笑→社会的微笑と置き換わっていくものではありません。新生児微笑が見られることもありますし、外発的微笑と社会的微笑の区別がつかないこともあるでしょう。後から現れる微笑が発達して、徐々に、最初に見られていた微笑が現れなくなるのです。
一方で、表情が全然変わらないと心配されているお母さんもいるかもしれません。赤ちゃんには個人差があるので、今回お話ししたとおりの時期に、該当の微笑が見られるとは限りません。必要以上には心配せず、もしどうしても不安が残るようでしたら、乳幼児健診のときなどに小児科の先生に相談してみると良いでしょう。
参考:
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