【助産師監修】 赤ちゃんの沐浴はいつまでおこなう?手順やポイントについて動画解説!
赤ちゃんが生まれたら、産院で沐浴指導をしてくれるところも多いと思うのですが、初めて沐浴を見たときは、不安に思われたママも多いのではないでしょうか。最初は少し戸惑うかもしれませんが、沐浴は慣れれば簡単にできるようになります。今回は、沐浴についてまとめてみました。
【目次】
赤ちゃんの沐浴の準備
赤ちゃんの沐浴には、どのような物を準備して、どのような手順でおこなえばよいのでしょうか? まずは沐浴の準備を整えましょう。
●沐浴の場所と必要な物
まず、どこで沐浴するかということですが、ママがラクな姿勢で沐浴できる場所がおすすめです。
立ったままでおこなうのであれば、洗面所やキッチンのシンクなどに小ぶりのベビーバスをセットして、しゃがんでおこなうのであれば浴室で赤ちゃんを抱っこして洗ったり、浴室にマットを敷いて赤ちゃんを寝かせた状態で洗ってもかまいません。
また、ベビーせっけんは、片手で泡立てることができる小ぶりな固形せっけんや、泡タイプのポンプ式のボディソープが使いやすくておすすめです。また、顔拭き用の小さなガーゼを用意しておきましょう。
お湯の温度は夏は38度くらい、冬は40度くらいが良いでしょう。最近ではお湯の温度が設定できる給湯器があるご家庭も多いのでお湯の温度も設定しやすいですね。室温は24~26度くらいが良いでしょう。
ベビーバスで沐浴する場合は、赤ちゃん用の手桶に上がり湯を準備しておきましょう。そのほか、沐浴布や沐浴後に使用するブラシや綿棒などがあると便利です。
●バスタオル&着替えの準備
沐浴の前におこなっておきたいのが、バスタオルと着替えの準備です。
着替えは、すべての服の袖を重ねて通しておき、スナップやひもは外して広げておきましょう。そして、その上におむつも広げておきます。さらにその上にバスタオルを広げておけば準備OKです。バスタオルの下にビニールシートを敷いておくと、万が一赤ちゃんがおしっこをしてしまった場合に安心です。
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ベビーバスでおこなう沐浴の手順
<沐浴の手順>
1.まずは左手で赤ちゃんの頭を支えます。頭を支えるときには、赤ちゃんの後頭部を支えましょう。耳をふさぐ必要はありません。そして、もう片方の手で赤ちゃんのおしりを支えます。
2.赤ちゃんのおしりを支えているほうの肘をお湯につけて温度を確認します。その後、赤ちゃんが驚かないようにゆっくりお湯に入れ、おしりを支えているほうの手を外します。赤ちゃんによってはお湯を嫌がって泣き出す子もいます。沐浴布を赤ちゃんの腕と胸にかけてあげると落ち着くこともあります。そして、最初は泣いていても意外に気持ちよさそうにし始める子も多いです。
3.お湯に入ったら、最初に顔をきれいにします。手桶に入っているお湯で顔拭き用のガーゼをぬらして絞ったら、最初に左右の目をやさしくぬぐい、顔を拭いてあげます。
4.次に頭を洗います。髪にやさしくお湯をかけてあげましょう。先ほどのガーゼを使うとかけやすいです。せっけんを泡立て、指の腹を使って生え際、後頭部を洗います。耳はたたんでしっかり裏側と耳たぶを洗います。髪を洗ったら泡をきれいに流し、絞ったガーゼでサッと髪の毛の水分を拭き取っておきます。
5.顔と髪が洗えたら、あとは上半身から下半身へと手でやさしく洗っていきます。腕や足は軽くにぎるようにしてクルクルクルッとなでれば、すばやく洗いやすいです。首や脇、足の付け根、肘や膝の裏など、皮膚と皮膚が重なっている部分は汚れが溜まりやすいのでシワを伸ばして洗います。また、赤ちゃんは手を握っていることが多いので、手のひらも広げてしっかり洗ってあげましょう。赤ちゃんの手のひらは小指側から指を差し入れると広げやすくなります。
6.背中を洗います。沐浴指導の際、背中を洗うときに赤ちゃんをひっくり返す場合も多いと思いますが、慣れないうちは怖いですし、やりにくいかもしれません。最初は、少し赤ちゃんを浮かすようにして、背中にせっけんの泡を付けた手を回して洗ってもいいです。そのうち赤ちゃんの扱いに慣れてきて、ひっくり返したほうが洗いやすいという状況になったら、お手本どおりにひっくり返して洗えばよいでしょう。手伝ってくれる人がいるのであれば、背中は洗ってもらえばいいです。
7.最後に陰部(性器)を洗います。女の子は、性器の周り、性器、肛門の順番で洗います。割れ目の内側の粘膜の部分はせっけんで洗わずにやさしく流すのみにしましょう。男の子は陰茎(おちんちん)の表面を洗い、陰茎を持ち上げて陰嚢(玉)の皺の間を伸ばしながら洗います。その後、肛門も洗います。最後におしりを洗います。新生児は皮膚がデリケートなので、ガーゼでゴシゴシ洗う必要はありません。
8.せっけんの泡は洗いながらベビーバスのお湯で流してしまいます。そして、最後に上がり湯でひととおり全身を流したら完了です。
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シャワーを使った沐浴の手順
1.シャワーの温度は38〜39度くらい。やけどしないようにママの手で温度を確認しましょう。心配な場合はシャワーを出したままでも大丈夫です。
2.洗い場にマットを敷いて、その上に赤ちゃんを寝かせて洗います。
3.頭、顔、体の順番で上から下に向かって洗います。頭から洗い始め、陰部が最後です。赤ちゃんの足元側に座り、向かい合うようにすると負担なく洗えます。
4.頭を洗います。せっけんを泡立て、指の腹を使って生え際、後頭部を洗います。耳はたたんでしっかり裏側と耳たぶを洗います。次におでこに泡をつけて洗います。
5.やけどしないようにママの手でシャワーの温度を確認します。
6.頭の上からシャワーをかけ、流水でしっかり流します。後頭部・耳の裏も忘れずに! 耳の中に水が入っても自然に出てくるので心配いりません。
7.次に顔を洗います。よく泡立てた泡を両頬につけ、洗います。鼻や口の周りを洗います。目の周りを上から下に手早く洗います。上から下に洗うと自然に瞼を閉じてまつ毛が目を守ってくれます。顔の上からシャワーをかけ、流水でしっかり流します。手早くガーゼで顔を拭きます。
8.首から下を洗います。(ベビーバスでおこなう沐浴の手順5参照)
9.背中を洗う場合は、上になる脇の下とおしりの横を支え横向きにします。脇の下を片手で支えながら、もう片方の手で洗います。そのとき、背中も皮膚トラブルがないかチェックしましょう。横向きにして洗うのが不安な方は、上半身を持ち上げて背中側に手を入れて洗う方法もあります。
10.最後に陰部(性器)を洗います。(ベビーバスでおこなう沐浴の手順7参照)
11.シャワーで首から下に向かってよくすすぎましょう。最も大切なポイントはよくすすぐことです。やけどを予防するためにも、使うたびに必ず手で温度を確認しましょう。
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沐浴が終わったら
沐浴が終わったら、先にセッティングしておいたバスタオルの上に赤ちゃんを寝かせて、バスタオルにくるみながらやさしく押さえるように拭いてあげましょう。
拭き終わったら、バスタオルを取り除き、下にセットしておいた着替えの上に寝かせておむつをし、保湿をします。そして、着替えに袖を通してあげましょう。まだおへその消毒が必要なうちは、おへそのケアをしてからおなかをしまいます。
最後に髪の毛を整えて、耳の入り口の水分をさっとぬぐいます。必ずしも綿棒でおこなう必要はありません。鼻のケアについても、綿棒を使用する場合は入り口付近をなでる程度にとどめ、奥まで入れないように注意しましょう。
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赤ちゃんの沐浴のポイント
沐浴は、授乳前後や眠くてぐずっているときを避けておこないましょう。熱があるときや体調が悪そうなときもやめておきます。
沐浴の時間ですが、赤ちゃんにもだんだん生活リズムができてくるので、だいたい同じような時間帯に沐浴できるといいですね。夏なら朝夕の涼しい時間帯、冬なら昼間の暖かい時間帯などを選ぶとよいと思います。パパに手伝ってもらうなどの都合がある場合は夜でも大丈夫ですが、遅くとも21時ごろまでに沐浴できるとよいでしょう。
また、赤ちゃんにとって沐浴は意外と疲れるものなので、なるべく短時間でササッとおこないます。5~10分程度(※)で済ませましょう。(※お湯に浸かっている時間ではありません)。
沐浴できないときは、おむつだけつけた赤ちゃんをバスタオルにくるみ、お湯で濡らした清潔なガーゼでやさしく拭いてあげます。沐浴のときと同じように顔から拭いていきます。首などシワのできる部分や汗をかきやすい背中などを中心に、手早くササッと拭きましょう。
便の回数が多い子はおむつかぶれの予防、夏の暑いときにはあせもの予防のためにも沐浴は大切です。また、沐浴の際には赤ちゃんの皮膚の状態もよく見て、トラブルがないかチェックしましょう。
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赤ちゃんの沐浴いつまで? 一緒にお風呂に入れるのはいつから?
赤ちゃんの沐浴の期間は特に決まっているわけではありません。ただ、赤ちゃんの成長は著しく、どんどん体重も重くなりますので、だんだん沐浴させるのも大変になってきます。
赤ちゃんは、1カ月健診で問題がなければ、大人と同じお風呂に入ることができます。ママも1カ月健診で問題なければ入浴できるようになりますので、そのタイミングで一緒にお風呂に入り始める赤ちゃんが多いかもしれません。
1カ月健診を過ぎたら沐浴を卒業しなければならないわけではないので、沐浴のほうがママの負担が少ないのであれば、そのまま続けてもかまいません。
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まとめ
赤ちゃんのお世話に慣れていないママにとっては、沐浴は大仕事かもしれませんがコツさえつかめば徐々に慣れてくると思います。赤ちゃんとのスキンシップを楽しみながら沐浴してくださいね。
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