【医師監修】産後のママの体の回復について

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師池谷 美樹 先生
産婦人科 | 横浜市立みなと赤十字病院産婦人科 副部長

岐阜大学卒業、日本赤十字社医療センターで初期研修後、同センター常勤医師として勤務、東京慈恵医科大学産婦人科講座入局、博士号取得、国立成育医療研究センター周産期診療部勤務、日本赤十字社医療センター産婦人科勤務を経て、現在は横浜市立みなと赤十字病院産婦人科 副部長。

【医師監修】産後のママの体の回復について

 

出産後の子宮

出産後、子宮は急速に収縮し始め、約6週間かけて妊娠前の状態に戻ります。子宮収縮に伴い、悪露(おろ)と呼ばれるおりものが出ます。産後すぐは赤く量も多いことがありますが、しだいに量が減り産後1週間を過ぎるころには、透明になっていきます。悪露は残った妊娠組織の排出なので、血液に混じって小さい膜のようなものや、つぶつぶした組織が含まれることがあります。

 

 

床上げとは?

昔は産後3週間〜4週間の間は、布団を敷きっぱなしにしてできるだけ横になっていました。その時期を経て、ようやく布団を片付けることから「床上げ」と呼んでいました。実際は、そんなに長く寝たきりでいる必要はありませんが、出産の体力や子宮の状態が回復するには、それくらい時間がかかるということです。この時期は無理せず、ゆったりとした気持ちで過ごしましょう。また、目を使いすぎると疲れやすくなったり、のちのち目が悪くなることもあるので、テレビやスマートフォンなどを長時間見るのは控えておきましょう。

 

 

産後のエクササイズについて

産褥(さんじょく)体操でしたら、出産翌日からおこなえるものもあります。子宮の回復や、出産時に使った筋肉の疲労回復に効果的です。医師に相談してからおこなうと良いでしょう。産後1週間くらい経ったら簡単なストレッチなども可能です。骨盤のゆがみを正すエクササイズなどは、産後の体型戻しにもよいでしょう。

 

 

家事はいつから?

赤ちゃんのお世話以外は家族などに頼めるとよいですね。里帰りもできず、パパが育児休暇も取れないという人は、自治体の子育て支援サービスなどを利用しましょう。助成の制度がある自治体もあります。また、民間の家事代行サービスや食材宅配などを使い、ママの体をゆっくり休めることを優先しましょう。

 

 

外出はいつから?

1カ月健診までは外出は控えるようにしましょう。もし、家の中にいてばかりでストレスが溜まってしまうという場合は、ショッピングなどの人混みではなく、近くの公園へ散歩に行く程度にしましょう。赤ちゃんは季節にもよりますが、生後1カ月未満の外出は良くないので、パパや家族に預けてくださいね。

 

 

入浴はいつから?

シャワーであれば産後すぐから大丈夫です。しかし、産後は細菌などの抵抗力も弱まっているため感染症にかかりやすい状態です。分娩のときの傷がまだ完全に治ってなかったり子宮の出口がまだゆるんでいたりして、感染する可能性があるので、産後健診で問題がないとがわかるまでは、湯船にはつからないようにしましょう。

 

 

セックスはいつから再開できる?

産後健診で医師に確認しましょう。悪露などがある場合は終わるのを待ったほうがよいでしょう。生理がなくとも排卵をしていることがあるので、2人目の妊娠を希望していても、ママの体の負担を考え、産後半年までは避妊をしたほうがいいでしょう。また、赤ちゃんのお世話でそんな気分になれないというママも多いです。パパには気持ちを伝えて、再開できる気持ちになれるまで待ってもらえるように話しておきましょう。

 

 

 

(監修/池谷美樹先生)

 

 

◆関連動画 出産ドキュメンタリー

 

 

 

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