植松紀子先生インタビュー(4/4)

---自立期に、自分と向き合えなかった子はどうなるのでしょうか?

自立期に自分のビジョンをつかめないでいると、必ずまた揺れる時期が訪れます。「自分は本当はこうしたいんだ」という気持ちに向き合わないままに、成績などで進路を決めてしまうと、高校に入ってから必ず揺れます。高校1年生の終わりごろ(16〜17歳くらい)に、事件を起こすことが多いのもこのせいなのです。

心が揺れる時期に自分をつかめなかった子は、親や社会に復讐したくなるからです。自分の気持ちを受け止めてもらえなかったために、自分が出せずに、進路を誤ってしまったと感じるわけです。「いい子と言われていた子がなぜ?」とよく言われますが、これも親に遠慮して、自立期に葛藤をありのままに表出できなかったせいなんですね。

何度もいいますが、このように子どもには必ず心が揺れる時期があるということを、お母さんたちはしっかり把握しておいてください。このような発達過程での心の変化を知っていれば、余裕を持って子どもに対峙できるのです。

そうすれば、「こんなに荒れて、うちの子どうなっちゃうんだろう」「不良になっちゃうんじゃないか」なんて慌てることもなく、「いま、自分の中の葛藤と向き合っているんだな」と静観することができます。そして、「自分の子どもは、絶対に曲がったりしない」と信じてあげればいいんです。中途半端に口を出したり、やりたいことを制止したりしてはいけません。   

 

 

---自立期に限らず、常にストレスを感じているお母さんたちも多いですよね。

確かにそうですね。でも、それは元をたどってみると、子どものことではなく夫婦の不協和音が原因なのではないでしょうか?

「育児が大変だ」「子どもが泣いて手がつけられない」と悩んだとしても、夫が一緒に話し合ってくれたり、「こんな風にやってみようよ」と言ってくれれば、ストレスはたまっていかないはずです。

 

植松紀子先生インタビュー(4/4)


具体的な対策まで話し合わないとしても、「大丈夫だよ」「よくがんばってくれてるね」と言ってもらえるだけで、ふっと疲れがほぐれるのではないでしょうか?

育児、家事、仕事とたくさんのことをこなさなければならないとしても、夫がしっかり向き合ってくれていれば、なんとかやりこなせるものだと思います。嫁姑問題、ママ友だちの問題などの悩みについても、すべてそうです。夫に気持ちを受け止めてもらえれば、それほど深刻なストレスにはならないのではないでしょうか?

「どうせ、真剣に聞いてくれない」などと、夫婦の気持ちが徐々に離れていくと危険です。気が付いたころには、完全に気持ちがすれ違っていて、コミュニケーションどころか、一緒に食卓を囲むのも苦痛になります。

夫婦関係にストレスがあると、「私ばっかり育児で苦労して、ガマンしている」と育児ストレスもたまってしまうんですね。そして、つい子どもの反発にイライラしたり、子どもの要求に応えるのもおっくうになってしまったり、ということが起こるわけです。

もちろん心のズレは、長い夫婦生活のうちに何度も感じることがあると思います。特に、夫の仕事が忙しくなる40代後半から50代前半ごろは、いちばん危険な時期と言われています。

しかし、どんなときでも夫婦の絆をしっかり結びつけようと意識することが、家庭を円満にする最も大切なコツなのです。小さな心のズレも見逃さず、常に話し合ってお互いの気持ちをすり合わせていく努力を忘れないでください。

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