【医師監修】妊娠中におすすめの朝ごはんに必要な栄養

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師太田 篤之 先生
産婦人科 | おおたレディースクリニック院長

順天堂大学卒後、派遣病院勤務を経て、平成22年より順天堂静岡病院周産期センター准教授就任。退職後、平成24年8月より祖父の代から続いている「おおたレディースクリニック」院長に就任し現在に至る。

お味噌汁を食べる女性

 

毎日3食、きちんと食べていますか? 妊婦さんの体はさまざまな栄養を必要としています。おなかの赤ちゃんを健やかに育むために、栄養バランスを考えた食事を摂りましょう。今回は朝食に着目し、妊婦さんにおすすめの朝食例や、栄養バランスのポイントをご説明します。

 

 

妊娠中の食事で気を付けること

妊婦さんの体は、赤ちゃんを育てるためにさまざまな栄養を必要としています。とはいっても体調の変化などで、つい食事を疎かにしてしまう妊婦さんも多いのではないでしょうか。まずは妊娠中の食事について、心がけるべきポイントをご説明します。

 

妊娠中は必要なエネルギー量がアップ

妊娠中に必要な1日のエネルギー量は、妊婦さんの年齢や活動レベル、妊娠の時期によって変化します。

区分

身体活動レベルⅠ(低い)

生活の大部分が座位で、静的な活動が中心(専業主婦、デスクワークなど)

身体活動レベルⅡ(普通)

立位作業、軽い運動などをおこなう(育児中の主婦、製造業、サービス業など)  

 

身体活動レベルⅢ(高い)

移動や立位が多い、または活発な運動をおこなう(農業、運動習慣がある人など)

 

18〜29歳未満 1,700kcal 1,950kcal 2,250kcal
30〜49歳未満 1,750kcal 2,000kcal 2,250kcal

上記の推定エネルギー必要量に加えて妊娠中はエネルギーを負荷する必要があります。

・妊娠初期(~妊娠15週) +50kcal
・妊娠中期(妊娠16週~27週) +250kcal
・妊娠末期(妊娠28週~) +450kcal

 

妊娠中の栄養不足は危険!

妊娠中といえば体重増加を気にして、“食べ過ぎてはいけない”というイメージがありますよね。確かに妊娠中に体重が増えすぎると妊娠高血圧症候群や巨大児、分娩時の出血多量などを引き起こす恐れがあります。しかし、体重増加が少なすぎてもリスクがあることをご存知ですか?


妊娠前のBMIがやせ型~標準体格だった女性の妊娠中の体重増加が7kg未満だった場合、低出生体重児を出産するリスクが高いと指摘されています。また、貧血や早産のリスクも高まるため、妊婦さんと赤ちゃんの健康のためには、栄養バランスをきちんと考えた食事をし、適正体重まで増やしていくことが大切です。
 

1日の基本は3食+間食で

「1日3食きちんと摂ること」は生涯に渡り大切にしたい食生活の基本です。時間がないから、太りたくないからと食事を抜くと栄養不足になってしまいます。妊娠中は赤ちゃんの発育にも影響を及ぼす恐れがありますので、3食しっかり摂るようにしましょう。

 

献立の基本は主食・主菜・副菜

「主食」に「主菜」「副菜」そして汁物を組み合わせると、バランスの良い食事になります。


・「主食」はご飯を中心に
ご飯は味が淡白で、いろいろなおかずともよく調和し、主菜、副菜が揃えやすくなります。また、満腹感がある割にエネルギーとして消費されやすいので、脂肪になりにくく、塩分を含まないので、食事全体の塩分量も控えることができます。


・「主菜」は脂質を控えて適量を
肉料理は脂肪の少ない赤身の肉を選びます。魚介類には良質なたんぱく質に加え、EPAやDHAなどの必須脂肪酸が含まれているのでおすすめです。


・「副菜」は野菜などをたっぷりと
きのこや海藻類は低エネルギーで食物繊維が豊富。切り干し大根や高野豆腐などの乾物も利用し、副菜のレパートリーを増やしましょう。

 

 

妊婦さんにおすすめ! 朝食メニュー例

しっかり栄養を摂りたい朝食。どのようなメニューを取り入れればよいのでしょうか? 妊娠中に必要な食品の種類と量の目安、おすすめの献立をご紹介します。

 

●定番の和食は栄養バランスもいい
・メニュー例
ごはん、目玉焼き、味噌汁、きのこソテー、牛乳、りんご
・ポイント
和食は作るのに手間がかかるイメージですが、朝食ならさほど難しくはありません。味噌汁を作っている間に卵ときのこを調理すれば、ものの10分でできてしまいます。味噌汁に使用されている味噌は大豆を発酵させて作られており、アミノ酸やビタミンが豊富。野菜、わかめなど、具をたくさん入れれば食物繊維やミネラルをたっぷり摂ることができます。

 

●パン派の人もタンパク質と野菜を採り入れて
・メニュー例
食パン、オムレツ、サラダ、チーズ、みかん
・ポイント
朝はパン派という人におすすめなのが、オムレツを組み合わせた献立です。オムレツは炒めたにんじんやマッシュルームなどを具にして作れば、食べ応えも十分。パンを食べる際はジャムやシロップをかけるのは控え、オムレツやチーズを挟んで食べるなど、甘味料に頼らないようにしましょう。

 

●休日はカフェ風パンケーキ朝食で贅沢に
・メニュー例
パンケーキ、ブルーベリー、バナナ、温野菜サラダ
・ポイント
たまには特別なメニューで気分転換を。そんなときは、パンケーキを使った朝食メニューにチャレンジしてみましょう。パンケーキには小麦、卵、牛乳が使用されているため、野菜と果物を組み合わせましょう。サラダを作る際は温野菜サラダがおすすめです。加熱によってかさが減るため、一度にたっぷりの野菜を食べることができます。
彩り豊かな温野菜サラダに、ブルーベリーとスライスしたバナナを添えれば、見た目も華やか。パンケーキは市販の粉を使えば手軽にできますが、米粉を使って自家製のものを作ってもいいですね。

 

 

朝が弱い妊婦さんにおすすめの対処法

朝食をしっかり食べたいとは思っていても、朝は眠いし食欲もない……。そんな妊婦さんも多いことでしょう。朝が弱い妊婦さんは、ぜひ次の2つの対処法を実践してみましょう。

 

●習慣作りが大切! まずは2品から
そもそも朝食を摂る習慣がないという人の場合、いきなり栄養満点な朝食を摂るのは大変です。まずは2品からスタートして、朝食の習慣作りを始めましょう。


<朝が苦手な人におすすめのスタート食品>
・パンと果物
・おにぎりとゆで卵
ポイントは、できるだけ主食を取り入れることです。たとえば、主食(ご飯・パン・麺など)と果物、あるいはタンパク質(卵や大豆製品)といった具合に。まずは自分にとって食べやすいものから始めて、少しずつ品数を増やしていきましょう。

 

●朝食づくりのポイント
・便利な調理器具を使う
・前夜に準備する
・冷凍ご飯の活用
・常備菜を取り入れる
・市販の便利な食品も利用する


忙しい朝は、できるだけ手間がかからず、すぐに食べられる食品を取り入れて、時短しましょう。洗い物が少なくて済むことなども、ポイントです。

 

 

まとめ

朝ごはんはおなかの赤ちゃんを育むために、そして妊婦さん自身が元気でいるために、大切な食事です。朝が苦手な人も、市販品をじょうずに活用して、少しでも多くの栄養を摂る工夫をしましょう。少しずつ朝食の改善や、習慣作りに取り組み、栄養バランスのいい朝食を摂れるようになるといいですね。

 

 

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