【妊活コラムvol.4】3組に1組が「不妊かも?」と心配している!?
不妊に悩む人はどのくらい?
あなたの周りに、「望んでいるのだけれど、なかなか赤ちゃんができない」という人はいませんか?実際に、望んだときにすぐできたという人もいるかもしれませんが、そうでない人も実はたくさんいるのです。
その割合は、どれくらいだと思いますか?
国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査」(2015年実施)によると、不妊を心配したり悩んだりしたことがある夫婦は35%という結果でした。つまり、3組に1組の夫婦が「もしかして不妊かも?」と心配した経験があるということ。そして、子どものいない夫婦の場合では、この数字は55.2%、半数以上にものぼります。(※1)
今回は不妊に悩む人や、不妊治療をする方に向けた不妊の現状についてまとめました。
実際に治療を受けたカップルは5.5組に1組
では、病院やクリニックを受診して、不妊の検査や治療を受けたことがある人は、どれくらいいるのでしょうか。
同調査によると、不妊の検査や治療を受けたことがある夫婦、または現在受けている夫婦は、全体で18.2%でした。ということは、夫婦の約5.5組に1組が、不妊の検査や治療を受けたということ。そして、子どものいない夫婦での治療経験は、28.2%という結果でした。(※1)
子どもがいても不妊!?
子どもが1人いる夫婦の場合の調査結果もあります。子どもが1人いる夫婦で不妊の心配をしたことがある割合は45.4%と、半数に近い数字です。そして、検査や治療を受けたことがある割合は25.7%でした。
不妊を配したものの自然に子どもを授かることができた、または治療で子どもを授かった。もしくは、「1人目の子どもは自然に授かったけれど2人目がなかなかできないと心配している」といったケースもあることでしょう。
どのような背景があるかは具体的にはわかりませんが、いま子どもがいたとしても、「もしかして不妊かも?」と心配した経験のある人は、これだけ多いということです。
不妊とはどういう状態のことなの?
ところで、不妊とは、どういう状態をいうのか知っていますか?
日本では、健康な男女が定期的に性交渉をもっているにもかかわらず、1年以上妊娠しないことを「不妊」と言います。
ただし、女性は加齢とともに妊娠しにくくなるので、20代の人と40代の人をいっしょに語ることはできないでしょう。一概にはいえませんが、年齢が高い女性は若いときよりも妊娠しにくい状態である可能性が高く、妊娠するまでに時間がかかることもあります。
妊娠しにくい原因がないかどうか調べておくことは、妊活の第一歩といえます。特に生理不順や子宮内膜症、子宮筋腫などの婦人科系の病気がある場合は、早めに受診したほうがいいと言われます。また、男性側に不妊原因があるケースもあります。
1年というのは、「もしかして妊娠しにくいのかも?」と考えて、検査を受ける目安になりそうです。もちろん、1年を待たずして、病院で検査や治療を受けてもかまいません。
不妊治療は身近な存在
不妊で悩む人は、あなたが想像していたよりも、ずっと多い数ではありませんか? おそらくそれは、治療をしていると相手が言わないために、あなたが知らないだけなのかもしれません。実は、不妊治療によって子どもを授かっている人は多いのです。
2016年の日本産科婦人科学会のデータでは、体外受精や顕微授精などの高度な生殖補助医療(ART)によって生まれた子どもは54,110人となっています。その年の日本の出生児の約18人に1人の赤ちゃんがARTによって誕生していることになるのです。
3組に1組の夫婦が「もしかして不妊かも?」と心配する現在。あなたの周りにも、きっとそんな経験をした人がいるはず。もしかして、あなた自身が不妊を心配したことがあったり、不妊治療を体験していたかもしれませんね。
そう、あなただけではなく、たくさんの人が不妊で悩んでいる(いた)のです。
いまや不妊や不妊治療は、とても身近な存在です。
ほかのママとは違う…不妊体験後の感情
不妊を体験したあと、妊娠・出産、育児をしていて、なんとなく周りとの違和感を覚えたり、気持ちがざわついたりする……そうしたことはありませんか?
「難なく子どもを授かった人と自分は違う。でも、子どもがいる自分は、不妊仲間には入れない。こんな気持ちを誰にも話せない……」。こうした気持ちは、不妊を体験したゆえの独特の感情なのだそうです。
NPO法人Fineでは、そうした人のためのグループカウンセリングをおこなっています。生殖心理カウンセラーが同席して、不妊を体験したあとの特有の心理についてサポートしています。
参考:
※1:2015 年社会保障・人口問題基本調査 <結婚と出産に関する全国調査>
NPO法人Fine〜現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会