【医師監修】産後の性行為はいつから? 次の妊娠までの期間は? 性生活の注意点について

この記事の監修者

医師太田 篤之 先生
産婦人科 | おおたレディースクリニック院長

順天堂大学卒後、派遣病院勤務を経て、平成22年より順天堂静岡病院周産期センター准教授就任。退職後、平成24年8月より祖父の代から続いている「おおたレディースクリニック」院長に就任し現在に至る。

この記事の監修者

助産師古谷真紀

一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー。大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。

家族

 

出産してしばらくは、育児が大変なことやお母さんの体が回復しておらず、性生活について考える余裕がないかもしれません。しかし、しばらくすると次の子を考えている方は、パートナーと今後の家族計画を話すことも増えてくると思います。そこで今回は、産後の性生活や次の妊娠期間はどれくらいあけたほうが良いのかについてお話しします。

 

 

産後、性行為を再開できるのはいつから?

産後の1カ月健診で経過が順調であることが確認できれば、性行為をおこなうことができます。経腟分娩で出産した場合は会陰部に痛みを感じなければ、産後4~6週ごろから性行為を再開できます。

 

しかし、女性の体が回復していても、子育てが始まると疲労や寝不足などで、性行為を受け入れられないこともありますが、それはごく自然な感情です。妊娠中と同じように、性欲には個人差、男女差があることをお互いに理解して、まずは自分たちにとって心地よいコミュニケーションの方法を話し合いましょう。
 

 

産後の性行為で気をつけること

産後の性行為では以下のことに気をつけましょう。

 

●夫婦で、産後の身体の回復を理解しましょう。

出産時に生じた腟のゆるみは一時的なもので、徐々に回復します。気になる方は、産褥体操や骨盤底筋を鍛えるエクササイズをすると良いでしょう。会陰部の傷や帝王切開後のおなかの切開部分は、時間の経過と共に回復して、痛みを感じることはなくなりますが、ちょっとした違和感や痛みが恐怖心に変わり、性行為を避ける原因にもなります。
また、ホルモンバランスの変化から腟が乾燥することで性交痛が生じることもあります。そのときは、うるおいを補うためにドラッグストアなどで購入できる潤滑ゼリーを使うと良いでしょう。

 

●夫婦で、家族計画について話し合いましょう。
妊娠や出産をきっかけに、セックスレスになる夫婦は少なくありません。「産んだばかりの赤ちゃんのことで頭がいっぱい」「日々の家事と育児で性行為どころではない」「もうこれ以上子どもを作る予定はないから」など、理由はさまざまです。


必ずしも計画通りに授かるとはいえませんが、もし次の妊娠を望む場合は、今の住環境で子どもが増えても大丈夫か、子どもが増えても家族や周囲のサポートを得られるかなど、具体的にシミュレーションすることが大切です。


また、性行為は子どもを作るためだけの行為と考えている方もいらっしゃいますが、性行為はお互いの愛情を感じたり、精神的な結びつきを深めるための行為でもあります。夫婦間で感情のズレが生じることを避けるために、夫婦で話し合い、お互いの気持ちを確かめることが大切です。

 

●予期せぬ妊娠を防ぐために、避妊をしましょう。
月経が再開したら、次の妊娠ができる状態に戻っているサインです。母乳のみで授乳を続けている場合には、産後1年ほど月経が再開しない女性もいますが、月経の再開には個人差があり、産後2~3カ月で月経が再開するケースもあります。

 

排卵は月経の前に起こるため、月経を見ないまま妊娠する方もいます。お母さんの体は産後6カ月以上経過すると、体の機能はほぼ通常のレベルに戻るため、月経が再開していないとしても妊娠可能な状態に回復しています。予期せぬ妊娠を防ぐために、避妊を怠らないようにしましょう。

 

産後すぐの避妊方法としてはコンドームの使用が適しています。ピルの服用は、母乳育児をしていない場合は産後3週から、母乳育児をしている場合は卒乳後が適しています。また、産後6週をすぎれば、IUD(子宮内避妊具)を使うことで、受精卵が着床するのを防ぎ、妊娠を防ぐことができます。産後に長期間の避妊を希望する場合は、IUD(子宮内避妊具)を使うことを考えても良いでしょう。ピルやIUDについては、産婦人科あるいは婦人科の医師による診察が必要となりますので、相談したい場合は受診しましょう。
 

 

次の妊娠までどのくらい期間をあけたほうがいいの?

WHO(世界保健機関)ガイドラインには「次回妊娠するまでの期間が18カ月以下の場合は、新生児死亡率や乳児死亡率、低出生体重児、胎児発育遅延、早産の危険性が有意に高くなる。特に、6カ月以下の場合は妊産婦死亡率のリスクも高くなる」とあり、次の妊娠まで、少なくとも24カ月、流産後は6カ月あけることを推奨しています。


日本では、出産年齢が高年齢化していることから、次の妊娠を急ぐカップルも少なくありません。しかし、お母さんの身体機能さえ回復すれば妊娠して良いというわけではありません。体力や精神的な負担、子育てそのものの負担、生まれた赤ちゃんへの影響など、いろいろな視点をふまえて、次の妊娠までどのくらいの期間をあけるか、夫婦できちんと話し合い、自分たちに合った家族計画をしましょう。


また、帝王切開術で産んだ方は、次の妊娠で子宮破裂や胎盤が癒着してしまうことなどのリスクもありますので、次の妊娠を考えている方はかかりつけの産婦人科医に相談すると良いでしょう。

 

産後は妊娠しやすいと聞いたことがある方もいるかもしれませんが、産後は授乳をすることによりプロラクチンというホルモンが増えています。そして、このプロラクチンは、排卵を抑える役割をしており、出産してすぐの時期は妊娠しづらい状態です。しかし、母乳育児をしていても生理が来る時期は早い方もいれば卒乳・断乳後に来る方もいるので、個人差があります。そのため、妊娠しやすいかどうかは、お母さんの体や生殖機能の回復、母乳育児をしているかどうかなど個人差が大きいです。

 

 

まとめ

夫婦共に年齢を重ねると、妊娠をしづらいこともあります。そのため、夫婦で今後の家族計画について話し合い、必要な場合は避妊などをおこないましょう。次の妊娠がなかなかできない場合は、産婦人科や不妊治療の専門医へ相談しましょう。

 
【参考】
産婦人科診療ガイドライン産科編2017
論文:わが国の妊娠・分娩・産褥期における性生活・性機能 に関する文献検討

WHO  Postpartum Family Planning

日本家族計画協会 産後の性生活Q&A
 

 

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