【医師監修】生理前と生理後のどちらが妊娠しやすいの?

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女性

 

妊娠を望む女性にとって、重要なバロメーターとなるのが「生理」です。生理は女性の体が妊娠に適した環境になっていることを示す大切な現象です。そのメカニズムを理解するのは、妊活にとって必要不可欠なことです。そこで、今回は生理が起きる仕組みをはじめ、妊娠との関係性や妊娠しやすいタイミングなどについて紹介していきます。

 

 

生理はなぜ起きる?

「生理」とは、定期的にやってくる経血の排出現象のことです。約28日に1回起きるのが一般的ですが、個人差も大きく、必ずしも28日周期と決まっているわけではありません。


まず、女性の下腹部には左右に卵巣があります。この卵巣から約1カ月に1個だけ成長した卵子が飛び出してくるのです。このころ、子宮では子宮内膜という赤ちゃんのベッドのような組織が作られています。

 

卵巣から飛び出した卵子は、卵巣と子宮をつなぐ卵管という組織の中で精子を待ちます。侵入してきた精子が卵子と出会い、無事に受精すれば赤ちゃんのもととなる受精卵の誕生です。ただし、この段階ではまだ妊娠は成立していません。受精卵は子宮の中へと移動し、フカフカに成長した子宮内膜へと根を下ろします。これを着床といい、無事に着床した段階でようやく妊娠が成立するのです。

 

妊娠した場合はそのまま赤ちゃんが子宮の中で成長しますが、卵子と精子が出会わなかったり、受精しても残念ながら着床に失敗してしまったりするケースもあります。この場合、赤ちゃんのために厚く成長した子宮内膜は必要なくなります。受精卵は着床しやすいように新しいフカフカのベッドで迎える必要があるため、不要になった子宮内膜は一度排出しなければなりません。

 

このときに排出される子宮内膜こそが、生理の経血の主な成分です。受精卵が着床しなかったことを察知した体は、子宮を収縮させて子宮内膜を剥ぎ取ります。そして、卵子や血液、そのほかの組織などと一緒に体外へ排出して生理を起こすのです。

 

 

生理不順の放置は厳禁! 妊娠と生理周期の深い関係

女性の体は、ホルモンバランスにしたがって一定の生理周期を繰り返しています。「月経期」「卵胞期」「排卵期」「黄体期」という4つの期間があり、約28日で1サイクルを終えるのが一般的です。なぜ生理周期が妊娠と深く関わっているかというと、この4つの期間がそれぞれきちんと成立していることが妊娠には不可欠だからです。

 

卵胞期は、1カ月に1個放出する卵子を成長させるための期間です。生理が終わった後から7~10日程度続きます。この期間は卵胞ホルモンの分泌量が増加し、子宮内膜が厚くなっていきます。代謝が上がってお肌の調子も良くなります。排卵期は、その名の通り卵巣から卵子が排卵される時期のことです。精子の寿命は72時間程度ありますが、卵子の寿命はたった24時間しかありません。このタイミングで精子と卵子が受精し、着床までこぎつけると妊娠が成立します。黄体期は、受精した場合に備えて妊娠の準備を進める期間です。

 

主に黄体ホルモンの働きによって子宮内膜は着床に適した状態に変わっていきます。代謝も下がって体内に水分を貯めこみやすくなります。この時期になると、月経前症候群など不快な症状が出始めるケースも多いです。黄体期は14日程度つづきますが、妊娠が起こらないと黄体ホルモンと卵胞ホルモンの分泌が減少して月経(生理)が始まります。月経期(月経期間)は3~7日程度です。

 

妊娠するためには、排卵されてから卵子の寿命が尽きる24時間以内に、精子と受精させなければなりません。つまり、自分の排卵期がいつごろなのかを予測し、それに合わせて精子を体内でスタンバイさせておく必要があるのです。そのためには、安定した生理周期を維持することが欠かせません。生理不順だと排卵期の見極めが非常に難しくなるため、妊娠の可能性が低くなってしまいます。さらに、ホルモンバランスが乱れ、正常に排卵が起こらないケースもあります。なかなか妊娠しない場合は生理不順になっていないか振り返り、周期の安定化に努めましょう。

 

生理周期の乱れは、ストレスや栄養バランスが崩れること、体の冷え、急激な体重減少などが原因で起こります。また、過度な肥満や急激な体重増加も生理周期の乱れる原因となることがあります。そのため、定期的に運動したり、好きな音楽を聴くなどしてストレスを発散することを意識しましょう。さまざまな栄養素を含んだ食事を摂るように心がけることも大切です。しかし、十分な休養と栄養をとり、規則正しい生活を心がけても生理不順が続くようであれば、何かしらの疾患が原因の場合もあるので、病院へ早めに受診しましょう。
 

 

妊娠しやすい時期はいつ? 生理前?それとも生理後?

生理周期についての項でも解説したとおり、妊娠するためには卵子と精子がタイミングよく出会う必要があります。そして、排卵から14日ほどで次の生理が起きることを考えると、生理前に性行為をしてもすでに卵子の寿命が尽きている可能性が高いです。つまり、妊娠はしにくいでしょう。

 

一方、生理後はどうでしょうか。精子の寿命は72時間ほどあるため、体内である程度排卵を待つことができます。排卵期の予測がつけば、その付近を狙って精子を待たせておくと妊娠の可能性は高まります。

 

ただし、あまりに早すぎても排卵前に精子の寿命が尽きてしまうので注意が必要です。生理周期が28日間で安定している人の場合、排卵は生理の開始から14日目に起きる場合が多いです。この場合、だいたい11~14日目を狙うと精子と卵子が元気に出会う可能性が高く、妊娠しやすいといえるでしょう。もちろん、排卵のタイミングや精子の寿命には個人差があるため、それでなかなか妊娠しない場合には、産婦人科で診察を受けて相談する方が良いでしょう。
 

 

まとめ

妊娠を望むなら、生理や生理周期の仕組みを知り、排卵のタイミングを掴むことが大切です。また、排卵期の予測には安定した生理周期が欠かせないため、生理不順が続く場合は早めに婦人科を受診するなどして治療しましょう。また、生理前よりも生理が終わってしばらくしてから挑戦したほうが妊娠しやすいです。妊活にストレスは大敵なので、焦らずゆっくり取り組んでいきましょう。
 

■参考■
・株式会社メディックメディア『病気がみえる Vol.9 婦人科・乳腺外科 第3版』

 

 

 

監修者

医師 福岡 正恒 先生

産婦人科 | 産科婦人科福岡医院院長


京都大学医学部卒。同大学院修了後、京都大学助手、講師を経て、平成11年より産科婦人科福岡医院院長。京都大学在職中は、婦人科病棟や産科病棟などを担当。またこの間、英国エジンバラ大学・生殖生物学研究所に留学。日本産科婦人科学会・産婦人科専門医,京都大学医学博士

 


経歴

京都教育大学附属京都小学校,洛星中学校・高等学校,京都大学医学部 卒業
京都大学医学部附属病院にて研修後、市立伊勢総合病院・京都桂病院での勤務(医員)を経て、京都大学大学院医学研究科へ進学。
生殖内分泌学の研究や不妊治療に従事。

昭和63年 医学博士となる。

平成4年 京都大学医学部助手となり、婦人科病棟医長として子宮筋腫や子宮ガン等の診療に従事

平成 6~7年 英国スコットランドのエジンバラ大学生殖生物学研究所に留学、帰国後は、産科病棟副医長として周産期診療に従事
平成10年 京都大学大学院医学研究科 講師
平成11年 産科婦人科 福岡医院 開院


2019/08/02


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