うつ病療養中の子どもとの接し方
母親である私は、現在うつ病を患っています。そのせいか、最近娘にやさしくできません。娘は2歳3カ月で、反抗期の真っ最中です。もともと声も大きく、自己主張の強い子なので、お友だちと遊んでいてもトラブルになることが多いです。「他の子にけがをさせてはいけない」との思いが先に立ち、つい強い口調で怒ると、娘は大きな声で奇声をあげ、かんしゃくを起こします。すると、私は頭の中が真っ白になり、余裕を失って子どもにやさしく接することができなくなってしまうのです。叱り方がいけないのでしょうか? 娘にどう接していいのか、わからなくなってしまいました。私自身、最近イライラが治まらず、意欲的に活動することもできなくなりました。子どもといることも苦痛です。
2歳3カ月なら、強い自己主張を出してくる時期ですね。この自己主張の時期を、私は「第1自立期」と言っています。この時期の“反抗的な行動”は、「反抗してやろう」と子どもが決意しておこなっているわけではなく、自分の感情、考え、行動を表現できるようになってきているために起こるものです。これが、人生最初の基盤になっていきます。また、お母さんが心配しているように、社会的なルールや規律を学ばなければならない時期でもあり、“自律”も始まってきます。この時期には、子どもは一番エネルギッシュに自分の基盤を作ろうとしています。その行動に付き合っていく親にもかなりのエネルギーが必要ですし、腹をくくって付き合う覚悟も大事です。第1自立期の期間は、だいたい1年半(3歳ごろまで)くらいです。その間は、この自己主張に徹底的に付き合おうと決心することです。もし難しいようでしたら、地域の子育てセンターなどの集まりの場で遊ぶことをおすすめします。子どもと1日中1対1で接するより、少しでも他の子やお母さんたちと触れ合ったほうが気分転換になりますし、お母さんは情報交換、お子さんは他の子への興味・関心など、母子共にメリットがたくさんあります。それにも抵抗があるようでしたら、地域の保健センターの保健師に相談してみてください。うつ病を抱えたお母さんの心のケアをはじめ、お子さんの保育についても、きっと一緒に対策を考えてもられるはずです。保健センターは、医師や保育施設などとの連携もあるため、必要な場合にはすぐに関係各所へ手続きをとってもらえたり、紹介を受けることもできます。とにかく、育児のストレスをひとりで抱え込まないことが大切です。