感情を込めて叱れず冷たい態度をとってしまいます
私は子どものころから、ネガティブな感情を表に出すと、厳しい父や兄に怒られていました。そのため、楽しいときには素直に感情を表現できるのですが、悲しみや怒りは人前ではなかなか出せず、とても冷静というか、冷たい感じになってしまいます。先日も2歳になる息子が何度も危ないことをしようとしたので、何度も「いけないよ」と言いました。すると息子が何度も叩いてきて、私は嫌になってしまい、数分間無視していたら、子どもが私の機嫌をとるような笑い方をしたため、かわいそうになってしまいました。「もう怒ってないよ」と抱きしめたら、そのあと息子はわんわんといつまでも泣きました。最近、こういうことが何度か起こっています。怒りの感情を素直に出せない私は、どうしても叱らなければいけないときにどのように子どもを叱ればいいんだろうと思い、暗い気持ちになってしまいます。
あなたは喜びなどのポジティブ感情は表現ができる一方で、怒りや失望、不安などのネガティブな感情を出すたびに、お父さんやお兄さんに怒られてきたのですね。そのため、子どもに対しても感情的に怒りをぶつけることをせず、冷静に注意してきたのでしょう。とはいえ、2歳の子は冷静に叱っても、やってはいけないことを繰り返してしまうものです。そんなとき、あなたは怒りを出さずに知らん顔をして、相手にしない態度を取ってきたのでしょうね。でも、あなたがいくら冷静に怒りを抑えていても、お子さんはあなたが怒っていることを敏感に感じています。素直な気持ちを隠していると、子どもはとても奇妙に感じ、お母さんの言うことを本当に信じていいのか、わからなくなってしまいます。たしかに、いつも感情的に怒るのはよくありません。しかし、怒りを押し殺して不自然な態度で接することは、子どもをとても不安にさせてしまいます。子どもは、時折お母さんに怒られても、冷たくされたとは思いません。むしろ、溜めた怒りの爆発によって急に叩かれたり、怒鳴ったりされるほうが恐いと感じるでしょう。3歳までは、とにかく何でも知りたがり、体験したがります。言葉も十分に理解していないため、「いけないこと」を繰り返します。そのときには、真剣に怒った表情と短い言葉で「それをしてはダメ!」と言い、手を抑えたり、体ごと抱きかかえてやめさせましょう。3歳を過ぎればやっていいこと、いけないことをだいたい理解できるようになります。すると、叱ることも減っていくでしょう。