私も夫も休みがない日々
当時の夫は、平日は朝早く出社し、帰宅は夜遅く、休日出勤も当たり前。丸1日休みになるのは月に1度ほどしかなく、いつもぐったり疲れていたので、「休みの日くらい寝かせてあげよう」と思い育児について頼ることができませんでした。そのため私は馴染みのない土地で、まさに“孤育て”の状態に。
心休まる日がなく、子どもが夜頻繁に起きることもあり、心身ともに消耗していました。夫婦ともに毎日疲れ切っていて、家の中の雰囲気は常にどんより。会話も最小限で業務報告ばかりでした。夫も子どものことを気にかける余裕がなく、私も夫のことを思いやる余裕がなかったのです。
思い切って気持ちをぶつける
だからこそ否定的な言葉やネガティブな言葉をかけることは避けていたのですが、ある日、溜まりに溜まったストレスで「このままじゃおかしくなってしまう!」と思った私。どうしても夫に話を聞いてほしくなり、帰宅後の夫を呼び止めました。
「ずっと家にいるのがつらい」「大人と話せないのがつらい」と、そのときの気持ちを溢れるままにぶつけている間、夫は疲れていたのか、ぶすっとした表情のまま黙っているだけでした。
夫の言葉に撃沈したけれど
私が話し終わった後、夫は「はぁー」と長くため息をつき、「前は家にいるのが好きだって言ってたよね。嫌なら好きに出かければ?」と言いました。夫の冷たい言葉を聞いてがくぜんとした私。今の私の現状をちっとも見てくれていない夫の態度に、とても傷つき涙が溢れました。
けれど冷静になって考えれば、夫が疲れ切っているタイミングに話をしたことも良くなかったかなと反省。また、「出かければ」と言われたことで、「確かに自分から子どもを連れて遊びに行ける場所を探していなかったかもしれない」と思い、地域の子育て支援について調べ始めるきっかけになりました。
夫婦のどちらにも余裕がなく、この日から数日は夫と口をききませんでした。ただ、数日後には夫も「あのときは言い方が良くなかった、ごめん」と謝罪。夫に受け入れられず悲しい気持ちになった一方で、自分の視野が狭くなっていたことに気づくきっかけにもなりました。
著者:山口花
田舎で1女1男を育てる母。コーチングの資格を子育てに生かしながら日々奮闘中。主に妊娠・出産・教育の記事を執筆している。