※コロナ禍前の体験談です
心の叫び「私のおなかに触らないで!」
妊娠しておなかが目立つようになると、いろいろな人がおなかを触ってきました。義母や親戚、通りすがりのおばちゃんなど……。一見すると穏やかな光景ですが、私はそのたびに心の中で「触らないで!」と叫んでいました。自分でもどうしてこのときこんなに嫌な気持ちになったのか説明できません。
もちろん触っている方は、おなかの中の赤ちゃんを触っているつもりなのでしょう。けれどもこのときはそれが受け入れられず、ただ妊娠後期におなかを触られると「嫌だ」を通り越して、「嫌悪」の気持ちでいっぱいになっていました。
特定の人以外はどうしてもダメ
すべての人がダメと言うことではなく、大丈夫な人もいました。それは夫・実母・実姉・姪っ子だけ。それ以外の人に触られるのは鳥肌が立つほどダメ。触られたあとは家に帰って「触られた……! 気持ち悪い!」とひとりで嫌な気持ちに苛まされ……。
けれど私の住む町はのどかで周りの方も人懐っこいせいか、歩いていたり買い物をしていたりすると、よく話しかけられておなかを触られました。「触ってもいい?」と聞かれるならまだしも、何も言わずに撫でてくることもあり、恐怖を感じていました。
そっけない態度&仮病でやりすごす
あまりにも嫌な気持ちが大きいので「私がおかしいのかな……」と思った時期も。けれどどう考えを巡らせても触られた瞬間に「嫌悪」の気持ちがくるのは事実です。せめて触られないようにしようと、親しくない人に話しかけられたら会釈だけにしてその場から去るようにしました。
ただ、問題は義母です。さすがに夫に「あなたの親に触られるのが嫌」とは言えなかったので、義母や親戚に会うときは具合の悪いフリをして、おなかを抱き込むように座ってやりすごしました。これでおなかを触られる回数を半分以下にまで回避できたと思います。
今振り返っても、特に普段神経質でもない自分がどうしてあんなに嫌悪感まで抱いていたのか?と疑問に思うばかりです。出産を控えてナーバスになっていたのかもしれません。ただ、自分がこの経験をしたことから、私自身はいくら親しい友人でも、妊婦さんのおなかをむやみに触らないようにしています。
監修/助産師REIKO
著者:水田 真理
アレルギー持ちな娘の母で元理科の塾講師。子育てはできるだけ家にあるもので、娘と楽しめるように日々創意工夫を実践。