あっと言う間に奪われた婚約者
ある日、私の元親友からSNSを通じてメッセージが届きました。
「子どもが生まれたの! 悔しいだろうけど、赤ちゃん見に来てよ」
彼女は小学校から高校まで一緒の幼馴染。社会人なって、当時付き合っていた彼にプロポーズされた私は、すぐに彼女に紹介するくらい信頼していた親友でした。
しかし、この出来事をきっかけに、私の知らないところで彼女と彼が密会を重ねるように……。
そして、彼女と彼が2人で腕を組んで歩いているところを目撃してしまった私に、2人は開き直ったように「私たち付き合っているの。結婚も考えていて」「彼女のことが好きになっちゃったから、お前とは別れる。慰謝料は払うからさ」と言い放ったのでした。
結婚の約束までしていたのに、まさか元親友にあっという間に奪われるなんて……。
思い出したくもない過去がフラッシュバックしてしまいます。
マウント夫婦を成敗!
そんな私の様子を見て、夫が声をかけてきました。一連の話を聞いた夫は、なんと「一緒に行こうよ!」と私を誘います。
「大事なあなたを過去に傷つけただけでは飽き足らず、また傷つけようとするなんて! これはちゃんと成敗してやらないとね!」
夫の言葉に励まされた私は、元親友と元婚約者が暮らす家に行くことを決意しました。
当日、私が家に訪れると、ニヤニヤとした顔で元親友と元婚約者が出迎えます。
「どう? かわいいでしょ、ウチの娘!」
「あなたは未だにひとりなの?」
「SNS見たけど、景色とか料理ばっかりの画像でかわいそうだよね~」
そんな失礼な言葉を投げられる私でしたが、夫が一緒に来ていることを伝え、「は?どうせ、ろくでもない男でしょ」と言う元親友を無視して夫を呼びました。
イヤな過去を上書き完了!
私が呼び入れた夫を見るなり、驚きの表情をする元親友と元婚約者。
「あ、あなたは……!!」
そう、私の夫は、大手IT会社の社長をしており、メディアでも引っ張りだこの有名人だったのです。
「キミたちさ、俺の大事な嫁を過去にずいぶんと傷つけてくれたみたいだね?」
「それでまた、今になっても嫁を傷つけようって魂胆ですか?」
夫の勢いに完全に及び腰になる2人。
さらに夫は、私を捨てた元婚約者に向かって「あなたのような人間は信用できない。キミの勤務する会社と取引があるが、キミが関わる案件はすべて白紙にさせてもらう」と、真っ青な元婚約者をさらに追い込むのでした。
その後、結局元婚約者は会社を辞めるはめに。さらに高級マンションを購入したり、ブランド品ばかりを買いあさったりしていたツケが回り、2人は支払い地獄に突き落とされます。
夫が仕返ししてくれたおかげで、イヤな過去も上書きできた私は、これからも家族3人で幸せを満喫することを誓うのでした。
◇ ◇ ◇
まさに「身から出た錆」。他の誰のせいでもなく、自身の悪行の結果と言えますね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。