マンション前でたむろする男子中学生
私たち家族は現在マンションに住んでおり、エントランスの前には5段ほどの階段があります。その階段で、帰宅した中学生の男の子たち5、6人ぐらいの集団がたむろし、おしゃべりに花を咲かせていました。私は初めてその集団を見たとき、正直なんとなく「怖いなあ」と感じてしまいました。
なぜなら集団となるとどうしても威圧感を抱いてしまうからです。しかもその日、彼らは、幅が2mぐらいあるその階段の左右に座っていました。子ども園から帰宅した私と息子たちは、その男の子たちの間を通ってマンションに入らないといけません。私は息子たちと手を繋ぎ、少し緊張しながら階段に近づいていきました。
予想外の反応にびっくり!
すると彼らはすぐ私たちに気付き、全員「こんにちはー! 」とさわやかにあいさつしてくれるではありませんか。そして私たちが彼らの間を通りやすいように、左右にサッとよけて道を広くしてくれました。私はあいさつを返しながらも、それまで階段にダラっと座ってだるそうに話をしていた男の子たちとのギャップにびっくりしてしまいました。
当時年長だった長男もそんなさわやかなお兄さんたちのことをカッコ良いと思ったようで、それ以降その男の子たちを見つけると「あ、お兄さんたちだ! こんにちは!」と自分から積極的にあいさつするようになりました。
おばちゃん、心の中で叫ぶ
最初のころはあいさつを交わすだけでしたが、何度か会ううちに、その男の子たちは息子たちに話しかけてくれるようになりました。「保育園帰り? 頑張ってね」「俺らにもこんなときがあったな〜」とか、長男が階段を駆け上がろうとしたときは、やさしく諭すように「焦らないで」など。
またあるときは、長男が段ボールの切れ端で作った銃を持っているのを見て「その銃大事にしなよ!」と……。マスクをしているため彼らの表情までは読み取れませんが、毎回何ともさわやかな言いよう。私はそのたびに心の中で「惚れてまうやろー!」と叫んでいます(笑)。
最初は怖い集団だと思ってしまいましたが、思えば私の先入観によるものでした。今は彼らが息子たちにやさしく話しかけてくれるのを見るたびにキュンキュンしています(笑)。思春期の子の子育てには、小さい子の子育てとはまた違う苦労があるのだろうと思います。でも彼らのおかげで、息子たちのこれからの成長が楽しみになりました。息子たちを彼らのようなさわやかな好青年に育てることが、今の私の目標です。
著者:今岡めい/7歳と4歳の超わんぱくきょうだいを育てるママであり、フリーライター。「子育てで一番大切なのは母親が笑顔でいること」「幼児期最大の英才教育は遊びである」をモットーに掲げ、日々テキトー育児を繰り広げている。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています