「先輩の旦那さん、奪っちゃおうかな♡」
私の元に新入社員としてやってきた後輩。遅刻やミスの連続で、注意しても聞く耳を持ちません。
さらに、仕事ができないだけならまだしも、自分の容姿に自信満々な後輩は、取引先からクレームを受けても「私にもう一度会うために、でっちあげたミスだ」という、謎のポジティブ思考を繰り広げ、私はぐったり……。
あるとき、私の夫が会社経営者であることを知った後輩は「物好きっているものなんですね。私のほうがずっと良い女なのに!」と悔しそう。
挙げ句の果ては、「先輩の旦那さん、奪っちゃおうかな♡」と言い放ち、その場を去っていきました。
顔も名前も知らない夫のことを、奪いようがありません。ただの捨て台詞だと思い、私はそんなこともすっかり忘れてしまいました。
後輩から挑発の電話がかかってきて…
ある日、家でのんびりしていたところに、後輩から着信が。私は半ば嫌々電話をとりました。
「あなたの夫は、今、私の部屋で寝てるわよ」
その言葉から、後輩のしてやったり! という顔が思い浮かびます。
しかし夫はというと、自宅でくつろいでいるところ。後輩の部屋で寝ているわけがありません。
話を聞くと、昨夜私の後をつけ、家の玄関から出てきた男性に声をかけたのだそう。
昨夜、わが家から出ていった男性といえば、心当たりはひとりだけ……。何年も音信不通の中、友だち伝いに私の家を知り、お金を借りにきた“あの男”が頭をよぎりました。
夫を寝取ろうとした後輩に下った天罰
後輩の部屋で寝ていたその男は、私の元カレでした。私に追い払われ、家から出てきたところを目撃した後輩は、元カレを夫だと勘違いしたのでした。
しかも、元カレは自分が社長であると嘘をついていた様子。一夜にして後輩に結婚を申し込み、書類にサインまでさせたのです。
しかし元カレはお金にだらしのない大嘘つき! 後輩がサインをしたのは、まさかの借金の連帯保証人になるための書類でした。
元カレはというと、後輩が私と電話をしている隙にさっと逃げてしまい、ベッドはもぬけの殻! 「あなたの夫を奪った」と自信満々に連絡をしてきた後輩でしたが、一転、男に騙されて借金を背負わされることになったのでした。
◇ ◇ ◇
自業自得とはまさにこのこと! 人の物を取ろうとしたり、肩書きだけで人を見て判断したりすると、ろくな目にあいませんね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。