彼女より友だち。私はいつも後回し
彼は友だちと過ごす時間をとても大切にしていて、暇さえあれば友だち同士で集まっていました。しかし、お付き合い直後は、私との時間も大切にしてくれていた彼。このまま楽しい時間が続くと思っていたのですが、お付き合いから1カ月も経たずに会う頻度がガクッと減り、私とのデートは友だちと予定が入らなかった日だけに。
やっとデートができたと思ったら、デート中でも、友だちからのお誘いがあれば私を置いて友だちの元へ行ってしまって……。飽きられたのか、別れたいのか、彼や彼の友だちに聞いてみると、彼の優先順位の問題で、今までの彼女とも同じような付き合い方をしていたということを知りました。それを聞いて私は「嫌われていたわけではないのだ」と安心してしまったのです。
今思うと、このとき早々に見切りを付ければよかったのですが……。
遅刻してくる彼を待ち続けた私
彼は遅刻の常習犯でもあり、デートのたびに彼を待ち続けることも多くありました。短くて30分、長くて6時間待ち続けたことも。
遅刻癖を改めてほしくて、連絡の取れない彼を待たずに帰宅したことも何度かありましたが、あっさりとデートが中止になっただけで、彼からは謝罪はなくケロッとしたまま。そのうち、遅刻癖を直してほしいという気持ちよりも、彼に会いたい気持ちが勝ってしまい、私は彼の遅刻を許容するように。
私の友だちからは、「大切にされていない」「別れたほうがいい」とアドバイスされましたが、彼と一緒に過ごす時間は楽しく幸せで、私が我慢すればうまくいくと自分に言い聞かせてお付き合いを続けていたのです。
彼中心の生活から脱却
彼とのお付き合いが2年近く続いたころ、専門学校生だった私は、大学生の彼よりも1年早く社会人になりました。就職先で同期や先輩方にも恵まれて、公私ともに充実した日々。趣味もできていろいろなことに目が向くようになり、彼の存在が私の中で小さくなっていきました。
その後、彼とはすれ違いが続き、結局はお別れすることに。その後、私は従姉の紹介で出会った彼と結婚し、その数年後に彼も結婚したようです。
今思うと「信じられないな」という行動ばかりだった彼が、今どんな結婚生活をしているのか気になりますが、家族みんなで幸せに過ごしていてほしいと思っています。
友だちからのアドバイスを受け入れきれずに彼と付き合い続けた私。「彼のことが好き」という気持ちが大きかったにせよ、他人を中心にした生活や考え方のままでは、どちらにしても長続きはしなかっただろうなと思っています。
彼と別れてから、自分を大切に穏やかな気持ちで過ごしていると、お互いを大切にし合える関係性の人との出会いも増えました。その中で夫とも出会い、大切にしてもらっている実感もあって満たされた生活を送っています。
著者／田畑 菜々
イラスト／おんたま
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