※コロナ禍前の体験談です。
夫と離れ、娘と2人だけでエレベーターへ
3人で買い物をしていると娘の授乳時間になり、私は娘と2人で別の階の授乳室に向かいました。すぐ近くにあったエレベーターが来るのを待って乗り込んだそのとき、扉が閉まる前に1人のおばさんが乗ってきました。
エレベーターの中には、私と娘とおばさんの3人だけ。広いエレベーターでしたが、そのおばさんは乗ってきた勢いそのままに、奥に立っていた私と娘のほうに向かってずんずんと歩いてきました。
急に抱っこしようとするおばさん
おばさんは「あらー! やだやだ! かわいい! ほら!!」と言って、急に手を出してきました。私は内心「何!?」と思いながら、おばさんの勢いが怖くて声が出せません。そのとき娘は抱っこひもで抱っこしておらず、私の腕で抱っこしている状態。おばさんは私の腕と娘の体の隙間に手を入れてきて、娘を抱っこしようとしてきました。
あまりの強引さに私は少しパニックになりながら「え!? あの! すみません!」と逃げようとしましたが、エレベーターは動き出したばかり。他の階に着くまで逃げ場がありません。それでもぐいぐいと娘を抱き上げようとするおばさんに、「いや、あの、人見知りなんで!」と言いましたが、「失礼ね! 何もしないわよ! 抱っこしたいだけ!」と譲りませんでした。
扉が開くと同時にダッシュ!
「早く着いて!」と思いながら娘を渡すまいと体をねじらせ、ようやく他の階に着きました。エレベーターが止まり、扉が開くと同時に私は「失礼します!」と言ってダッシュ。そのときはものすごく長い時間のように感じましたが、実際時間にして数十秒だったと思います。おばさんはついてくることはありませんでした。
おばさん自身は本当に悪意もなく、「赤ちゃんがかわいいから抱っこしたい!」という気持ちだけだったのかもしれません。抱っこ以外の対応でも、もっとコミュニケーションをとることができたかもしれませんが、このときは知らないおばさんの勢いに焦ってしまいました。
もし同じようなことがあった際には、コミュニケーションをとりながら、じょうずに対応できたらと思いました。
著者:山口 花/30代女性・主婦。田舎で1女1男を育てる母。コーチングの資格を子育てに生かしながら日々奮闘中。主に妊娠・出産・教育の記事を執筆している。
作画:山口がたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています