専業主婦を「暇でしょ?」と言うAさん
Aさんはいつも、働いてない私に「たくさん時間があって、家で何しているの?」と言います。「暇でしょ?」という言葉も添えて。そんな私は子育てに苦戦しつつ、子どもについて新しい発見や学びがあり、暇とはかけ離れた日々でした。
そのためAさんの言葉は、私にとって不思議でなりませんでした。しかも、Aさんが私を少しバカにしているような言い方に聞こえてしまったため、私はモヤモヤと嫌な気持ちになったのです。
専業主婦を「尊敬する」と言ってくれるBさん
Bさんは「家で何しているの? 私は子どもはかわいいけれど、育児がじょうずじゃなくて。ずっと子どもと一緒にいるとストレスで……。だから尊敬する」と言いました。私は尊敬されるほど立派な育児はしていませんし、育児をしていて人に褒められることもほとんどありません。
ですので「尊敬する」とBさんに言われ、とてもうれしかったのです。そして私は、友人に対して温かい言葉を送れて、仕事と育児を両立するBさんを、心から尊敬しました。
「あなたの息子くんは幸せだろうね」と言うCさん
Cさんは、子どもと過ごす時間をもっと持ちたいと思いながらも、将来を見据え夫婦で話し合い、共働きという選択をしていました。「家で何しているの?」と聞かれ、昨日の出来事や過ごし方をCさんに伝えると、「あなたの息子くんは幸せだろうね。うちの子はかわいそうだ」と言います。
そんなCさんは働いている間も子どものことを考え、帰宅後は子どもとの時間を大切にするけれど、それでも時間が足りず、子どもに申し訳ない、と思っているようでした。私はCさんを「なんて素敵なお母さんなんだろう」と思いました。
仕事をしながらも、子どものことを思い、真剣に向き合っているCさん。そんなたくさんの愛情を向けられている息子くんが、かわいそうなわけがありません。1日を一生懸命頑張っているCさんの話を聞いていると、私も「もっと頑張れる余地があるな。弱音を吐いていないで頑張ろう」と思えました。
「家で何しているの?」と同じ言葉ではありますが、それに続く言葉や言い方で、悲しくなったり、うれしくなったり、頑張ろうと思えたりと、私の気持ちはまったく違いました。価値観は人それぞれ。例え私とは違った考え方や環境であっても、相手を尊重し、悲しませない言葉選びをしなくてはいけないな、と改めて感じさせられる出来事でした。
著者:山下亜衣/女性・主婦。10歳と7歳のサッカー小僧の母。子どもたちを応援するため、アスリートフードマイスターを取得。転勤族で現在は地方での生活を満喫中。趣味はキャンプ。
作画:ライコミ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています