「もっと俺を見て！」仕事に没頭する夫。家庭をおざなりにして、自分のことしか考えられなくなって #僕と帰ってこない妻 308

フィクションなんだと思うけどモデルは実在するし、カズ君のような大人になりきれてない大人はそこらじゅうに実在すると思う。
結婚によくある「こんな人だと思わなかった現象」がなぜ起こるのか？を分かりやすく漫画にしてくれているなと思っていつも読んでいます。
カズ君は決して極悪人じゃないけど、浮気する人で「あんないい人が…」って思うこともあるし、
優しくていい人であることと、嫉妬心や虚栄心でクズになることは同時にあり得るのだと、この漫画は教えてくれていると思う。

カズ君が「実は優しくていい人じゃなかった」訳ではなく、「優しくていい人なんだけど、自己中でダメな所もあった」だけなんだなと思った。
関わりの薄い関係だと、いつも優しくていい人に見えるけど、一緒に暮らす夫婦になったら、隠しきれなくなっただけ。
私にとっては非常に分かりやすい心理学の本。これからも興味深く読ませてもらう。

やはり、カズくんは「自己愛」の塊だ。
だが、内容はともかく自分の悪いところを自覚した事を相手に証明するために、下に見ていた事実を白状する姿勢は評価したい。
聞くに耐えない話ではあるが、これが自己分析。正しい自己分析を終え、己の恥を自覚したのは偉いと思う。
この歳でこの程度の恥を抱えていたのは正直あり得ないが。
前にも言ったが普通の大人…例えば良田さん？などであればおそらく高校生くらいで済んでる葛藤だろう。
人を羨んだり、嫉妬したり、自尊心や虚栄心と戦ったり。
カズくんは自分で自分を愛するあまり、自分の醜さや愚かさを見ないできてしまった、故に葛藤そのものが無かったのではないか。
普通のいい人であったはずの彼がなぜここまで人に迷惑をかけて嫌われて家庭すら崩壊させる事になったのか。
これが自分と向き合う事をおろそかにした人間の末路なのだろう。

皆の者、落ち着くのだ！
これは現在のカズくんなのではなく、ちょっと前までのカズくんの心情だよ！
これから「でも今は〜」って続くはずだよ！
以前はこうだったが、今はちゃんと反省して変わりました ！って流れだよ！！


……多分！ 

「頑張ったら認めてもらえた！ダメな俺でも評価してもらえた！もっと俺を見て！」ってそれは例えばエヴァンゲリオンにおける碇シンジ14歳の悩みと同じレベルなのよね

拗らせた自尊心と承認欲求なんて、正直子供出来てからではなくもっと若いうちにぶつかって自己解決の手段を得ておいてほしかったな、と思ってしまう

子供が産まれるということは家族の主人公が変わる（＝まず注目されるべきは子供）ということだと思うので…

まぁ人間いくつになっても同じことで悩むのかもしれないけど…

この話、作者さんの知人の体験談らしいけど、雪穂とカズキのモデルになった人はここまで面倒くさい人ではないだろうな。
雪穂は人に話せない性格だけど、モデルの女性は現に作者さんに話してるわけだし。
実際の体験は、一般的な夫婦に起こりがちな不平不満と大差ないのかなって。
実際の夫婦の話として読むより、完全なる創作物として読もうかな。