昼シフトの“お局”との出会い
昼の時間帯には、厳しいと有名な女性スタッフ(お局)がいました。初日、私は緊張しながらも「おはようございます。よろしくお願いします!」と元気にあいさつしました。ところが、お局は私を一瞥(いちべつ)しただけで返事もせず、無視。
その後も数カ月の間、質問をしても「はぁ? なんでこんな子に教えなきゃいけないの」「専門学生って考える力ないの?」といった嫌みを言われ続けました。毎回、胸が痛くなるような日々でした。
思わぬ逆転の瞬間
ある日、お局と2人で作業をしていたときのことです。お局が「3番テーブルの男性客には私が行くから、あなたは行かないでね」と強い口調で言いました。私は指示に従い、ぼんやりとその様子を見ていました。
ところが突然、その男性が席を立ち、真っすぐ私の方へ歩いてきたのです。驚く私の前で男性はこう言いました。
「以前、祖父がこの店に来ていて、あなたのことをすごく褒めていました。年上の女性に嫌みを言われてもめげずに頑張っていたって。僕も応援したくて来ました」
そう言って笑顔で去っていった男性の姿を、お局は険しい顔でにらみつけていました。その後、お局からの無視は続いたものの、嫌みを言われることは二度となくなりました。
後から知った真実
後日、他のスタッフから聞いた話によると、お局はそのとき男性の言葉をすべて聞いていたそうです。
しかも、男性が言った「50代くらいのおばさん」という言葉に強くショックを受けていたとか。実際にはお局は33歳だったようで、その一件がかなりこたえたようでした。内心「やっと報われた」と思いました。
まとめ
この経験を通して、「人によって態度を変える人」や「他人を見下す人」に真っ向から反応する必要はないと学びました。見ている人は見てくれているし、誠実に頑張っていれば必ず誰かが気付いてくれるのだと。「人にしたことは、いつか自分に返ってくる」ということを実感した、忘れられないカフェでの出来事でした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:齋藤 杏/20代女性・会社員
イラスト/おみき
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年10月)
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