胃の不調が続いて消化器科を受診
数年前の夏、子どもの夏休みもようやく終わりに近づいたころ、喉から胃にかけて不快な症状が出るようになりました。キリキリと痛むというよりは、どちらかというと胃の奥で鈍い痛みと胸焼けがします。「昨日食べ過ぎたかな」と市販の胃腸薬を飲んでみたものの、数日たっても良くならず、その不調は続きました。
近所のママ友にそのことを話すと「それって、ストレスじゃない? 私も昔ストレスが原因で胃腸炎になったことがあったのよ。一度、病院で調べてもらったほうが良いよ」とアドバイスされました。夏休みの終わりのここに来て一気に夏の疲れが出たのかなと思い、「ちょうど新学期も始まるし、病院の薬なら効き目がありそう」と、市内で消化器科がある病院を探しました。すると、以前総合病院の消化器科で働いていた先生がちょうどわが家の近所に開業されていたので、そこを受診しました。
医師に症状を話すと、「まずは内視鏡検査をしましょう」とのこと。その日は朝食を食べてしまっていたので、日を改めて検査をすることになり、その日は予約だけして帰りました。そして翌週、内視鏡検査とピロリ菌や血液検査などもろもろの検査を一緒に受けました。
検査の結果は中年女性によくある病気

後日、検査の結果を聞きに行くと、医師から「潰瘍(かいよう)もないし、胃はきれいだよ。ピロリ菌もいなかった。胃が痛かったのは、炎症の値が若干大きかったので、感染症の胃腸炎を起こしていた可能性はある」との話を聞いて、安心したのもつかの間、「あ、でも、これ、逆流性食道炎だね、グレードはAだからそんなに心配はないよ」と、医師は胃カメラで撮った私の食道と胃のつなぎ目を指差して言いました。
「逆流性食道炎?」私はそこで初めてその病名を聞いて驚いたのですが、その名の通り胃の中の酸が食道へ逆流する病気だそうで、胸焼けなどの症状を感じ、食道の粘膜がただれたりするのだとか。症状はあるけれど、内視鏡検査などで消化器の潰瘍や胃がんなどの大きな病変が見つからない場合でも、食道の粘膜に炎症が見られれば逆流性食道炎と診断されるそうです。
さらに医師の話では「中年の女性にはよくある病気」ということでした。中年という言葉に落ち込みましたが、加齢とともに筋肉も緩んでくるため、食道と胃のつなぎ目を締める筋肉(下部食道括約筋)も同じくたるんできて、若い人よりも胃酸が逆流しやすく、症状が出やすくなるそうです。
たしかに、写真に写った私の食道と胃のつなぎ目は、むくんでいてたるんでいるように見えました。
胃酸を抑える薬で症状は快方へ

まず、現在出ている症状を抑えるため、胃酸を抑える薬を処方されました。私の場合はグレードAという軽症の部類のため、薬は飲み続けても、症状が治まったらいったんやめてもどちらでも良いということでした。次に、パンフレットを渡され、今後の生活について気を付ける点について指導を受けました。
加齢による筋肉のたるみは治すことができないので、症状が出ないように、生活を見直すことが大切と言われました。症状を放置したまま、生活もそのままでいた場合、食道が狭くなったり、出血したりして重症化することもあるそうです。
特に、医師からは「飲み過ぎ、食べ過ぎはもちろんだけれど、食べた後すぐ横になる、これが一番ダメね」と念押しされました。「食べてすぐ横になることはあまりなかったと思うのですが」と小声で否定してみましたが、今後は意識しなくてはいけないなと思いました。
まとめ
その後、処方された薬を1カ月ほど服用し、症状はすっかり回復しました。私の場合は医師の「症状が治まればやめてもいい」という言葉どおり、回復したタイミングで薬はいったん卒業することにしました。
ただ、薬をやめても油断はしていません。医師に言われた「食後すぐ横にならない」ことはもちろん、「腹八分目」や「ファストフードは控えめに」といった胃にやさしい食生活を、自分なりに強く意識して続けるようになりました。
今回の不調は、夏の疲れが引き金だったのかもしれません。しかし、病院を受診したおかげで「逆流性食道炎」という自分の体の弱点を知ることができました。40代になり、体は少しずつ変化しています。「ただの胃痛」と自己判断せず、早めに原因を突き止めて生活を見直すことが、これからの健康を守るためにも大切だと実感しています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:綾瀬はるひ/40代女性。小学生の娘を持つ母。在宅ワークのため、運動不足になりがち。最近、骨伝導イヤホンを購入。早起きして、好きな音楽やラジオを聴きながら近所の公園を散歩している。
イラスト/マメ美
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
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