ようやく購入したマイホーム
新婚当初から賃貸アパート暮らしを続けていた私たち。長男の小学校入学を機に少し広めのアパートへ引っ越しましたが、長女も小学生になり、手狭さを感じるように。ローンの返済期間などを考慮し、夫婦共に30代のうちにとマイホーム購入を検討し始めました。
その話を義両親に伝えたところ、義実家は持ち家であるものの立地が不便だったため、義両親も「引っ越しをしたい」と言い出したのです。話し合いの末、義実家は賃貸に出し、義両親は私たちと同居することに決まりました。
当時、私が第3子を妊娠中だったこともあり、ある程度の広さが必要でした。新築では予算が厳しかったため、私たちは二世帯で住める中古物件を購入することにしたのです。
思っていたのとは違う生活
入居にあたり、私たちは家の雰囲気に合わせて家具や家電を新調しました。それぞれの個室は各々で好きなように配置を決めましたが、問題は「共有部分」でした。
トイレは3つあったので助かりましたが、キッチンやお風呂などの水回り、そしてリビングは完全共有です。すると義母は、私たち夫婦に何の相談もなく、義実家から持ってきた物を当たり前のように共有スペースへ片付け始めたのです。
インテリア雑誌などを参考におしゃれな空間を目指していた私たちに対し、趣味の違う義母は、義実家で使っていた壁掛けや置物などのインテリアグッズを勝手に飾り付けてしまいました。
キッチングッズなどの実用品については、両方の家から使える物を持ち寄ったのですが、子どもメインのわが家の食器と、大人だけの義実家の食器が混在し、収納もしにくくなってしまいました。使い勝手の良いはずのスペースは、またたく間にただの物置状態に……。
共有スペースが物で溢れてしまい、子どもたちのおもちゃや私たち夫婦が飾りたい物は置くことができません。しかし義母はお構いなしに、人からもらった物を相談もなく飾ってしまうのです。そのうえ、私たちへの断りもなく来客を泊まらせるなど、自分本位な行動は次第にエスカレート。
夫はそんな義母に「口をきくのも嫌だ」と愛想を尽かし、一切会話をしなくなってしまいました。義父は夫の様子を察して、夜は早めに寝室へ行くなど気を使っていましたが、義母は夫の態度には気づきつつも、まさか原因が自分にあるとは思っていなかったようです。
義母の暴走、そして決別
昼間パチンコに出かけ、家にいるときはすべて自分のペースで生活していた義母。食事の支度は私の担当でしたが、用意していたのに急に「いらない」と言われたり、逆に子どもの用事などで作れないときに急かされたりと、私は常に振り回されていました。
何度か改善しようと話し合いの場を設けましたが、結局は義母のいいように言いくるめられるだけ。同居から3年が経つころ、ついに夫の我慢が限界に達し、「もう無理だ、実家に帰ってくれ」と義両親に告げました。
義父は「母さんが好き勝手していたんだろう?」と理由を理解していたようで、すんなりと承諾してくれました。マイホームの購入から引っ越し、その後の生活費に至るまで、義両親からは2人分の食費以外に援助を受けていなかったこともあり、私たちは自分たちで購入した家にそのまま残ることになりました。
同居前に「こういう生活、こういう家にしたい」という具体的なイメージを、義両親としっかり擦り合わせておくべきだったと反省しています。「同居してみたら、なんとかなるだろう」と楽観的に考えていましたが、お互いの生活スタイルや価値観の違いは、そう簡単に変えられるものではないと痛感しました。
義両親との別居後、家から義両親の荷物がなくなったことで、夫も「ようやく本当のマイホームになったね」と安堵の表情を見せてくれました。今は子どもたちと、穏やかな生活を送っています。
著者:松田みさと/40代女性。2004年生まれの長男、2007年生まれの長女、2015年生まれの次女、長男とは15歳差の2019年生まれの次男の2男2女の母。仕事をしながら子育てに奮闘中。現在はライターとして、自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年11月)
※AI生成画像を使用しています