小学3年生の息子の貯金を…



義父母からもらったおこづかいを息子名義の銀行の口座へ入金し、記帳を終えた通帳を息子に手渡すと、とてもよろこんでいる様子。一方で家庭の口座の残高は、車や家のローンでどんどんさびしくなるのが現実でした。
2カ月後、また義父母からお小遣いをもらいましたが、息子はお友だちと遊ぶ約束があったので、私だけで銀行へ行くことに。しかし、入金後に記帳すると、残高が3万円ほど減っているのです。息子には暗証番号を教えておらず、自分でおろせるはずがありません。私以外に暗証番号を知る人物はただ1人。
仕事から帰宅した夫を問い詰めると、「友人との飲み会に使った」と悪びれる様子もありませんでした。私は息子の貯金に手を出す夫の身勝手さに怒りが爆発!
「息子がどんな想いで貯金しているか知っているでしょう! 最低だよ」と強めに非難しますが、夫は「つい出来心で……来月返せばいいでしょ?」とヘラヘラと言いわけする始末。毎週飲み会へ行く夫に不満もあったので、「家計もキツイから、飲み会はもう控えてよ」と続けて言いますが、「俺から唯一の楽しみを奪うな!」と夫は怒って言い返してきました。
そんな調子で激しく言い合っていると、息子が涙をこらえながら、自分の部屋から出てきて「生活が大変なら、ぼくのお金使ってもいいよ」とひと言。その様子に夫も私もけんかの熱は一気に冷め、大人げなく言い合って息子を不安にさせたことを反省しました。私はすかさず息子に「生活には困っていないから大丈夫、心配かけてごめんね」と言いました。夫は「本当にごめん、もう二度としない……」と息子に謝り、翌月の給料日には、息子の口座からおろしていた分を返金しました。
この一件以降、夫は自分のおこづかいの範囲でお酒を楽しむように。そして息子は、夫の「二度としない」という言葉を信じて貯金を続けています。私も二度と夫婦喧嘩によって息子が悲しまないよう、トラブルがあった際は冷静な話し合いで解決しようと誓った出来事です。
著者:長川ゆきこ/女性・主婦。小学3年生の息子と夫との3人暮らし。最近息子がはまっているゲームに私自身もはまりつつある。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています