授乳のためにエレベーターを待っていたら…
そのとき、カップルがやってきました。男性は明らかに嫌な顔をしており、少し気まずく感じながらも、私はエレベーターに乗らざるを得ませんでした。ところが、エレベーターに乗った瞬間、男性が大きな声で「泣いてるんなら乗せるなよ!」と言ったのです。
泣いている娘の声で迷惑をかけてしまって申し訳ないと思いつつも、首も座ってない赤ちゃんを片手で抱え、ベビーカーと荷物を持って、エスカレーターや階段を使うのは難しく……。もし娘に手を出されたらと思うと何も言えず、ただ我慢するしかありませんでした。
そのとき、男性から少し離れたところにいた別のパパさんが、落ち着いた声で「泣き声が嫌なら、あなたが階段使えば?」と言ってくれました。周りから小さな頷きが起こり、男性は目をそらして押し黙りました。
はっきりと言ってくれたパパさんには本当に感謝していますが、この出来事以降、私ひとりのときにエレベーターに乗るのが怖くなり、抱っこひもで移動するようになりました。夫と一緒のときはベビーカーで移動しますが、泣いているときは極力エレベーターを避けています。子どもの泣き声にイラッとする気持ちもわかりますが、もう少し温かい社会になってくれるとうれしいなと思った出来事でした。
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小さな子どもを連れての外出は、想像以上に気をつかうもの。赤ちゃんの泣き声は避けられないからこそ、お互いに思いやりをもって過ごせる社会でありたいですね。
著者:吉田愛菜/30代 女性・主婦。9歳・7歳・0歳のきょうだいを育てる母。
イラスト:さくら
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年11月)