私は自分の耳を疑いました。というのもお隣の発言は、あきらかにわが家を見ながら、わが家に対する批判だったのです――。
隣のテーブルに座った女性の驚きの発言
うちの息子は、食事のときは静かにもくもくと食べるタイプだったので、外食時に手を焼くことはとくにありませんでした。
その日は隣のテーブルに、うちの息子と同じくらいの男の子と女の子、そのお母さん、おばあちゃんの4人が座っていました。隣の家族の子どもたちは大声を出して暴れていて、お母さんとおばあちゃんが何度も叱っていました。
それでも隣の子どもたちは騒ぐのをやめません。
すると、おばあちゃんがうちの息子をちらっと見て、ため息をつき、次の瞬間とんでもないひと言を発したのです。
「ほら、あんなふうにいい子の横に座っていると、悪い子に見えるからちゃんとしなさい」
「これだから、ああいういい子のいる家族の隣は困るわぁ」
息子に対する批判まで…
大声でなぜか文句を言われて、私と夫はぽかん。息子は食事に夢中で、聞こえていないようでした。
その後も、おばあちゃんは始終「いい子の隣は迷惑」と言い、さらには「子どものくせに好き嫌いしないなんておかしい」などと言っていました。
何も悪いことはしていないのに、文句を言われるなどと思ってもみませんでした。私と夫は顔を見合わせ、なんだか楽しい気分で食事ができなくなったのと、息子が気づいたらいやだなと思い、早々に引き上げました。
息子はたまたま食事に手がかからないだけで、わたしにも育児で悩んでいることはあり、ついほかの子と比較してしまう気持ちはわかります。けれども口に出されて聞かされるのは、気分のいいものではありません。
改めて、子どもはそれぞれなので、比較する必要などない、と改めて思いました。見ず知らずの人の言葉に一喜一憂せず、私は息子と向き合っていこうと心に誓った出来事でした。
著者:矢田亜希子/30代女性・パート。男の子の母、パート勤め、趣味は読書、インドア派で、1人で過ごすのがすき。
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています