夜の駅で気を失っていると…
夜10時過ぎごろ、会社から帰宅途中に電車内で急にめまいがして、降りたい駅で降りられずにぐったりと座ったままでいました。
終点の駅に着いたとき、ひとりの女性が声をかけてくれて「気分が悪いの? 一緒に降りましょうか?」と体を支えてくれたことで、電車からやっと降りられた私。しかし、一度はなんとかホームのベンチに腰かけましたが、目の前が白っぽくなり気絶してしまい、気づくとベンチに横たわって寝てしまっていたようでした。
すると、先ほどの女性が駅員さんを呼んでくれたようで、「大丈夫ですか!? わかりますか!?」と駅員さんの大きな声で目を覚ましました。
遅い時間だったこともあり、近くにいた男子高校生たちからは「女1人で酔っ払いじゃん~」と心ない言葉を言われ、「違うのにひどいな……」と、へこんでさらに体の力が抜けるような感覚に。しかし、駅員さんは親身に体調を気遣ってくれ、救護室で休ませてくれることに。
すると「あの……違っていたら、すみません。もしかして妊娠されていますか?」と駅員さんから予想外の質問が。「えっ!?」と思わず驚くと、「あ、実は自分の妻も同じような経験がありまして……」と慌てる駅員さん。
「実はそうなんです」と私が言うと「そうでしたか、さっきは大きな声で起こしてしまいすみませんでした。ご主人が迎えに来るまで、こちらで時間を気にせずゆっくりと休んでいてください」とやさしく対応してくれました。私は駅員さんのあたたかい対応で胸がいっぱいに。「ありがとうございます」と伝え、夫が車で迎えに来るまで30分ほど休ませてもらい、無事に家へ帰りました。
高校生たちは事情を知らなかったので仕方ないのですが、それでも妊娠初期のデリケートな時期に心ない言葉を言われて傷ついてしまいました。しかし、一方で助けてくれた女性や駅員さんのあたたかい振る舞いに感動し、感謝の気持ちでいっぱいにもなりました。私も体調の悪い人を見かけたときは、相手に寄り添った発言や行動ができる人になりたいと思った出来事です。
著者:長嶺りょう/30代女性・主婦。3歳の女の子を育てるママ。寝る瞬間までおしゃべりを続ける娘の横で白目を剥きながら、大好きな推しのことを考えて現実逃避中。
イラスト:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています