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お受験ママが夫のフレンチ店で「タダにしろ」と大暴れ→夫が告げた“ある客の正体”に一家は絶望し!?

娘が保育園の年長さんになったころのこと。夫は長年の修業を経て、ようやく独立し、フランス料理店をオープンさせました。私もランチタイムや週末はフロアに出て、夫の夢をサポートしながら、忙しくも充実した毎日を送っていました。

そんな中、娘が「お友だちが行く学校に一緒に行きたい」と言い出し、私たちは急きょ、小学校受験を検討することになりました。周りよりずっと遅いスタートでしたが、娘の熱意を応援したくて、年長の春から評判の良い塾の門を叩いたのです。そこで出会ったのが、同じクラスの保護者であるA子さんでした。

 

塾で遭遇した、価値観の合わない母親

A子さんはいつも高級ブランドに身を包み、「うちは親の代からあの小学校の出身で、学校とも特別な縁があるの」と、家柄や志望校とのつながりを誇示するような方でした。

 

娘が短期間でメキメキと成績を上げ、塾内のテストで1位を取るようになると、A子さんの態度は明らかに攻撃的に。

 

「あら、年長から始めて1位なんて、よっぽど無理させてるんじゃない? 夫婦で飲食店を営みながらの準備じゃ、付け焼き刃の知識でしょ。本番の面接でボロが出るわよ」

 

さらにA子さんは鼻で笑いながら続けました。

「うちは合格が約束されているようなものだけど、あなたたちは大変ね。お受験の費用が無駄にならなきゃいいけど」

 

私は「考え方は人それぞれですから」と受け流していましたが、A子さんはそれがおもしろくないのか、顔を合わせるたびにトゲのある言葉を投げかけてきました。

 

 

店にアポなしで乱入!そして無理難題を…

事件が起きたのは、願書の提出も終わり、周囲がピリピリし始めた秋の週末でした。お店はすでに予約で満席。店内は落ち着いた大人の社交場といった雰囲気でしたが、そこへ突然、A子さんがご主人と受験生の息子さんを含む3人の兄弟を連れて現れたのです。

 

私が「申し訳ありません、本日はご予約でいっぱいで……」と伝えると、A子さんは信じられない言葉を返してきました。

 

「予約? そんなの塾仲間のよしみで、なんとかしてよ。1席ぐらい空けられるでしょ? わざわざ来てあげたんだから、今日の食事代くらいタダにしてくれてもいいわよね? 宣伝してあげるから♪」

 

あまりの物言いに耳を疑いました。何度お断りしても、A子さんはまったく聞き入れませんでした。

 

さらには、思い通りにならないことに不機嫌になった3兄弟が店内の床に寝転び、「お腹空いた!」「今すぐここで食べる!」と大声で駄々をこね始めたのです。塾帰りなのか疲れもあったのでしょうが、あまりに目に余る光景でした。

 

A子さんはそれを止めるどころか、「ほら、子どもたちがこんなにかわいそうな思いをしているじゃない! 少しは融通を利かせなさいよ!」と詰め寄ってきました。

 

 

夫が告げた“お客様の正体”に顔面蒼白

あまりの惨状に、ついに夫が厨房から出てきました。夫は声を荒らげることもなく、騒ぎ立てる一家を冷徹な目で見据え、静かにこう告げました。

 

「……申し訳ありませんが、他のお客様の迷惑です。今すぐお引き取りください。これ以上続けるなら、警察を呼びます」

 

夫の威圧感に一瞬怯んだA子さんでしたが、すぐさま「せっかく来てあげたのに、なんて無礼な店なの! 恥を知りなさいよ!」と、なおも強気に言い返してきました。

 

すると夫は、騒動を避けるようにお会計を済ませて店を出て行かれたお客様を見送ったあと、A子さん夫婦にだけ聞こえるような声でこう言ったのです。

 

「今、あなたたちのせいで帰られたお客様。あの方は、あなた方が受験される小学校の校長先生ですよ」

 

「私が修業していた店からのお客様で、開店以来うちを応援してくださっているんです。プライベートでいらしていたので、あなた方はお気づきにならなかったようですが……。あの方は礼儀に厳しい方ですよ」

 

その瞬間、それまで勝ち誇ったようだったA子さん夫婦の顔から、一気に血の気が引いていきました。

 

 

親子面接で突きつけられた現実

それから数週間後、迎えた受験当日。会場ですれ違ったA子さん一家は、以前の余裕たっぷりな姿が嘘のように顔を強張らせていました。私と目が合ってもすぐに逸らし、逃げるように去っていったのです。

 

日、塾の保護者の間で噂になったのですが、A子さんは試験の報告に行った際、先生に半泣きでこう訴えていたそうです。

「面接ですごく嫌な質問をされたんです。『公共の場でのマナーについてどう考えているか』なんて聞かれて……。あんなの、うちを狙った嫌がらせだわ!」

 

実際には、それはどの家庭にも聞かれるような標準的な質問です。しかし、あの日レストランで醜態を晒した現場を校長先生に見られていた彼女たちには、それが逃げ場のない追及に聞こえたのでしょう。

 

結果、あんなに自信満々だったA子さんの息子さんは不合格。一方、娘は無事に合格することができました。

 

 

春、娘は希望の小学校で新生活をスタートさせました。入学式の日、校長先生は私たちの顔を見て、温かくほほ笑んでくださいました。学力だけでなく、人としての常識や品位がいかに大切であるかを改めて実感しています。娘がすくすくと成長するのを見守るのが、これからの大きな楽しみです。

 

 

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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